
冠婚葬祭は非日常的なマナーやしきたりが多く、どれだけ気を付けていても「うっかりミス」や「場にそぐわない発言」で冷や汗をかく場面が多いものです。結婚式での「しまった!」やお葬式での「やってしまった!」エピソードを3つ、お届けします。
★関連記事:喪服のストッキングに数珠まで…不慣れな私がやってしまった葬式での失敗とは【体験談】
頭から赤ワイン!?

サービス業をしていた私。あるレストランウエディングでのこと。その日は食事を楽しみながら挙式を待つスタイルで、会場にはすでに和やかな空気が流れていました。
そんな真っ最中、会場に「ガチャーン!」という大きな音が響き渡りました。驚いて振り向くと、赤ワインの入ったグラスを運んでいたスタッフが、泣きそうな顔でぼうぜんと立ち尽くしていました。そしてその前には、赤ワインを頭から浴びたような状態の新郎の祖父がいました。どうやら、誤って赤ワインを新郎の祖父にかけてしまったようです。
真っ赤に染まった衣裳だけでなく、祖父の顔もワインと同じくらい赤くなっていて、次第に怒りが込み上げているのがはっきりわかりました。騒ぎ始めた祖父を、すぐにサービスのマネージャーが会場の外へ誘導しました。
しばらくして落ち着いたところで、マネージャーがきぜんとした態度で祖父にこう伝えました。「お怒りは甘んじて受けますが、今は披露宴会場に戻っていただかねばなりません」。インカムでスタッフ同士が連携していたのでしょう。即座に衣裳部へ礼服一式を手配し、近くの控室を使って全身を丁寧に拭き、新しい衣裳に着替えていただくという完璧なリカバリー。その手際の良さに祖父も感服した様子でした。
あまりに迅速な対応だったためか、祖父が再び会場へ戻ると自然と拍手が起こったほどです。……ただ、安心したのもつかの間。肝心の挙式はというと、新郎新婦が立ったまま牧師の到着を待ち続けるという事態に。どうやら控室との連携がうまくいっていなかったようで、牧師がなかなか戻ってこなかったのです。
約5分後、汗だくの牧師がようやく戻ってきて無事に式が再開。いつもより早口だったせいか、新郎新婦も思わず苦笑いしていました。
◇◇◇◇◇
後から聞いたところによると、当日この事態に気付いたプランナーは、新郎新婦に平謝りだったそうです。今では笑い話ですが、あの披露宴は忘れられない思い出の1つとなりました。
著者:佐藤緑/50代女性・会社員
イラスト/きりぷち








