結婚式を前に突きつけられた言葉
そんなある日、A子から突然、結婚の報告がありました。
「職場のオーナーと結婚しま~す」
浮かれるA子と、それを手放しで喜ぶ夫を前に、私は複雑な気持ちを抱えていました。さらに式を目前に控えたころ、A子から決定的な言葉を告げられます。
「結婚式には来なくていい。本当のママを呼ぶから」
話を聞くと、A子の実母であるB美さんが、夫と再び親しくなっていたようで、将来についても周囲に話していた様子でした。私は深く傷つきましたが、A子のためにと貯めていたお金を使い、気持ちの整理を兼ねて1人旅に出ることにしました。
式当日にかかってきた、身勝手な頼み
式当日。旅先で食事をしていると、A子から何度も電話がかかってきました。
「お願い、母親役をやってほしい。頼れるのはあんただけなの。相手の家は体裁を気にするから、ちゃんとした母親がいないと困るの」
聞けば、前夜にB美さんが深酒をしてトラブルを起こし、式に出席できない状況になったとのことでした。私は静かに、事実を伝えました。
「私は継母。実母が来られない事情があるのは気の毒だけれど、それが現実よ」
旅行から戻った私は、夫に離婚の意思を伝え、A子とも今後は距離を置くことを告げました。
その後、詳しい経緯は知りませんが、A子の振る舞いが相手側に伝わり、結婚話は白紙になったと聞きました。元夫が誰とどうなったのかも、もう私には関係ありません。
私はようやく自由を手に入れました。お金も時間も、自分のために使える生活。旅行を楽しみながら、これまで後回しにしてきた自分自身を大切にする人生を、今ようやく歩き始めています。
--------------
感謝も責任もなく、人を都合よく利用しようとする関係から離れ、自分の尊厳と人生を守る決断をした彼女。家族だからといって、無条件に尽くし続ける必要はないのかもしれません。誠実に生きることは、時に孤独を伴いますが、その先には「自分の人生を生きる自由」が待っているものなのかもしれませんね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。








