

一部のお客さんだけ勝手にひいきしたせいなのに「無駄な客にアイスを出すことになったじゃねえか」とブツブツ文句を吐く店長。ここは、店長のお店ではなくチェーン店。それ以前に、対応に差をつけたり見下したりするなんて、許されるわけがありません。
田中さんが「店長、さっきからあまりにも……」と言いかけたとき、「田中くん」と呼び止めたのは社員の宮田さんでした。高卒で入社2年目、私の1歳上。店長にいつも振り回される苦労人です。田中さんの代わりに、店長に苦言を呈してくれたのですが、店長が「あぁ、もううっせーな!」。
こんなひどい店長に意見しないといけないなんて、社員って大変だな……。
そんなアイスの件があった数日後のこと……。休みだった宮田さんが出勤していました。
「休みだったんだけど、店長から急に代われって言われて」
「本当にお疲れさまです……」
「団体のお客さまが何組も入っているから、嫌だったのかも」
「いきなり休む理由にはならないですよ。無理しないでくださいね」
宮田さんは、店長を除いてこの店唯一の社員。店長の横暴さの被害に一番遭っていたのも、宮田さんだったと思います。店長の前では萎縮してしまっても、普段はとても優秀でみんなにとても好かれていました。
その日、団体客の他にも多くの来客があり、とても目まぐるしい忙しさでした。
そして、「あのとき、私が宮田さんの助けになれていたら?」と、私はそう後悔することになるのです。
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激務が予想される日に、自分は休み、部下を休日返上で働かせる。これはマネジメントの放棄であり、宮田さんの人為に甘えた理不尽な行為と言えるのではないでしょうか。店長にとって宮田さんは一緒に働く仲間ではなく、自分の代わりに泥を被る身代わりのようです。
ほや助さんが「あのとき、私が」と思ってしまうのはそれだけやさしく、責任感が強いからだと感じます。しかし、それは個人の責任感で解決すべき問題ではなく、組織としての労務管理が問われるべき事態です。「誰かの犠牲」で成り立つ現場は、いつか必ず綻びが出るもの。宮田さんのような誠実な人が正当に報われる環境の大切さを、改めて考えさせられます。
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