飼い主に請求できるケース…母に勧めると
これらの治療にかかった費用は、母が健康保険を使い全額支払ったと言います。しかし私は、「かんだ猫の飼い主が払うべきなのでは?」との思いがよぎりました。
猫にかまれた治療は健康保険が適用されますが、それが今回のように知人の飼い猫にかまれた場合は「第三者行為」といって、被害者(母)が一旦健康保険を使って治療費を支払い、後日、健保側が加害者(知人)に治療費や通院費の全額を請求。その後に健保から被害者が支払った分が還付されるという仕組みです。
ただそのためには、健保側に「第三者行為による傷病届」を提出する必要があります。私は、母にこの届け出をするよう強く勧めました。しかし母は同意してくれません。
病院で治療後も、母は消毒のため近くの皮膚科に通院していました。これらを含めて治療・通院費は相当かさんでいるはず。しかし、このことを含めて、母はかんだ猫の飼い主である知人には一切言わず、傷が治るまで1カ月ほど会わないようにしていたのです。
「ずっと仲良く付き合いたい人だから心配かけたくない。私には治療費よりも大切なものだから」
こう話す母の言葉に、私は母らしさをしみじみ感じ、心の中で拍手をしました。
まとめ
けがの負担を負うことになってしまった今回の出来事は、日常で起こりうることですが、相手との関係を優先した母の判断は素晴らしかったと思います。
でも、本当は、これでよかったかどうかは、娘の私には今でもわかりません。ただ、一つ言えることは、けがをしたときはすぐに病院に行って適切な手当を受けること、そしてけがを負わされた相手が大切な知人であるときは、母のように、相手の思いを汲んだ行動を取るのも一つの方法だということです。
今回のことで、ルール通りの解決だけがすべてではなく、自分自身が納得できる結末を迎えるために最善を尽くすことの大切さを強く感じました。
※本記事は個人の体験談に基づくものです。猫などの動物に噛まれた際は、速やかに医療機関を受診してください。症状や治療法は個人差があり、必ずしもすべての方に当てはまるものではありません。
監修/久野 賀子先生(PRIDE CLINIC 医師)
PRIDE CLINIC 院長。長年にわたり大手美容クリニックで通常の美容皮膚科診療だけでなく、新入職医師の指導や、VIP対応などをおこなっている。それらの経験を通じ、気軽に先進的な治療を受けていただける、自由で明るいクリニックを目指している。
著者:雪嵐 ルイ/40代女性。高齢の母とラブラドール犬との暮らし。酒は飲めないが、酒にまつわる香りを好む。ある特定の酒のにおいが好きな香りフェチ。
イラスト/おみき
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※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年2月)








