
23歳の会社員です。実は、祖父が企業を立ち上げ、父と兄も系列会社を経営しています。大学卒業後は「無理に働かなくてもいい」と言われましたが、私は自分の力で社会人として成長したいと思い、素性を伏せたまま兄の会社の採用試験を受けました。無事に合格し、入社式を終え、いよいよ配属部署への初出勤日を迎えました。
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配属初日、違和感のある指導
初日、直属の女性上司が部署を案内してくれました。先輩方は穏やかそうな方ばかりでしたが、その上司が話し始めると、なぜか空気が重くなるのを感じました。
顔合わせが終わると、すぐに指導が始まりました。
「あなたの教育係は私。指示するから、きちんとメモを取って。毎日しっかりやってね」
私は元気に返事をしましたが、その後に告げられた内容に戸惑いを覚えました。私に任されたのは、部署全員のデスクを水拭きし、ゴミを回収すること。さらに、観葉植物の葉を毎日一枚ずつ丁寧に拭き、出社している全員分の飲み物を用意することも含まれていました。加えて、必要に応じて書類のコピーを取り、昼前には上司の昼食を買いに行き、午後は来客や上司のためにお茶を出すのが私の役割だと説明されたのです。
正直に言えば、「これが新人の通常業務なのだろうか」と疑問を抱きながらも、私は黙ってメモを取りました。
1カ月続いた“雑用”の日々
指示された作業はその後も続きました。1カ月以上たっても、実務に関する指導は一切ありません。他の先輩方も気にかけてくださっている様子でしたが、上司の機嫌を損ねることを恐れているのか、声をかけづらそうにしていました。
私は家族に相談することもできました。しかし、それでは自分の力で働く意味がなくなる気がして、まずは自分で向き合うことにしました。
ある日、勇気を出して上司に尋ねました。
「実務について教えていただけるのは、いつごろになりますか?」
すると返ってきたのは、「新人が一人前の仕事を望むなんて早すぎる。今は繁忙期。教育に時間は割けないの。雑用をしていればいいのよ」という冷たい言葉でした。








