偶然聞こえてきた陰口
そのとき、隣の控室から楽しげな笑い声が聞こえてきました。扉が少し開いていて、中から会話が漏れ聞こえてきます。
「息子は立派なのに、お義母さんが高学歴じゃないのがちょっとね……」
それは、明らかに私のことでした。さらに、「朝ちょっと言い合いになったけど、泣いて謝ったら落ち着いた」と言うA美さんの声も耳に入ってきます。聞き違いであってほしいと思いましたが、胸が締めつけられるようでした。
そのとき、背後にいた長男が静かに扉を開けました。
息子が下した決断
「今の話が君の本音なんだね」と、低い声で言った長男。続けて「親族を見下すような人とは、結婚できない」とA美さんに告げます。
控室は静まり返りました。A美さんは必死に取り繕おうとしましたが、長男の意思は揺らぎません。
その様子を見て、私は息子が自分の価値観で判断できる大人になっていたことを知りました。








