
私は小さな弁当屋を営んでいます。ある日、叔父が高校生の双子の姉妹・A子とB子を連れて店を訪ねてきました。叔父の家では、双子の弟であり末っ子のC男が中学受験を控えており、「入試が終わるまで、2人をしばらく預かってほしい」と頼まれたのです。
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叔父から突然のお願い
A子とB子は派手な外見で、少しぶっきらぼうな態度。叔父はそんな2人を問題児扱いし、「弟の勉強の邪魔になるかもしれない」と心配している様子でした。さらに、叔父はつい感情的になってしまうのか、「弟は真面目で出来がいいが、姉たちは手がかかる」といった言葉も口にしていました。そんな事情もあり、私は2人を預かることにしたのです。
こうして始まった共同生活。最初のころ、A子とB子は店を見回して「思ったより小さい店だな」と少し不満げな様子でした。ところが、私の弁当を食べた途端、2人の表情が変わりました。
「……これ、めちゃくちゃおいしい」
そう言って目を輝かせたのです。私は照れくさくなりながら、「気に入ったなら、いくらでも食べていいよ」と答えました。それをきっかけに、2人は店を手伝うようになったのです。
「この店、もっと知られていいと思う!」
そんな言葉まで口にするようになり、店の雰囲気も少しずつにぎやかになっていきました。
双子の知られざる実力
店の常連客のC美さんも、A子とB子をとてもかわいがってくれるようになりました。私の弁当をいつも楽しみにしてくれる大切なお客さまです。
そんなある日、私は意外な事実を知ります。A子とB子は、以前料亭でアルバイトをしていた経験があるというのです。仕込みや調理補助、配膳などを手伝っていたそうでした。
試しに店の仕込みを任せてみると、2人とも手際がよく、接客もとても丁寧。明るい性格もあって、常連のお客さまの間でもすぐに人気者になりました。このことを叔父に伝えると、叔父は驚いた様子で、「そんなことができるとは思わなかった」と目を丸くしていました。
さらに後から聞いた話では、弟のC男は2人から勉強を教わっていたこともあるそうです。見た目の印象とは違い、A子とB子は努力家で、人に慕われる魅力を持っていたのです。私自身も、2人の新しい一面を知ることができました。








