数週間後に来た弟からの電話
それから数週間後のことです。弟から「兄さん、C社との仕事ってどうやって進めてたんだ?」と、戸惑った口調で電話がかかってきました。
C社は、とても慎重な会社です。契約前の準備も細かく、納品後のフォローも丁寧に求められます。小さな行き違いでも契約の見直しの話になることがあるため、これまで私は何度も調整を重ねながら取引を続けてきました。そのことを説明した上で、私は「これからはお前の担当なんだから、しっかりやってくれ。父さんの会社のためにもな」と伝えました。私はその電話を最後に、C社の案件から完全に手を引きました。
C社の案件から離れたことで、私は新しい仕事に時間を使えるようになりました。ちょうどそのころ、海外展示会への出展の話が持ち上がっていたのです。A子さんも「これは大きなチャンスですよ」と背中を押してくれました。
私は思い切って海外市場の開拓に挑戦することにしました。最初は手探りでしたが、展示会での反応は予想以上に良く、少しずつ海外の取引先が増えていきました。
一方で、弟とC社の取引は思うように進まなかったようです。しばらくしてから、弟とB美さんの関係も自然と終わったと聞きました。価値観の違いもあったのかもしれません。
弟は現在、別の部署で仕事を続けています。そして私は、海外事業の担当として忙しい日々を送っています。
まとめ
振り返ってみると、あのとき無理に状況を引き止めなかったことが、結果的に大きな転機になりました。今は新しい展示会の準備に追われながら、A子さんとともに次の挑戦に向けて動き出しています。仕事も人との信頼も、自分の手で築いていくものなのだと、改めて実感しています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。








