半年後、見えてきた本当の実力
それから私は、A子さんの教育係として一緒に行動するようになりました。
半年が過ぎたころ。A子さんは、笑顔で「先輩のおかげで、今月も営業成績トップでした!」と報告してきました。私は思わず笑ってしまいました。
「それは君の努力の結果だよ。取引先の話をよく聞くし、いつも明るい。お客さまが信頼するのも当然だ」
A子さんの強みは、素直さと傾聴力でした。営業の基本を着実に積み重ねた結果、自然と成果につながっていったのです。
一方で、B田とC山は大型案件の対応で忙しくしていました。ただ、仕事の合間にも誰かのウワサ話をしたり、A子さんのことを勘ぐったりしている様子が目につきます。
「そんな時間があるなら、資料作りに集中すればいいのに……」と私は思いながら、クライアントの要望を整理し、新しい提案をまとめました。A子さんもサポートに入り、2人で準備を進めた結果、大きな契約をまとめることができたのです。
ウワサより大切だったもの
その後の営業成績でも、A子さんはトップを維持しました。
ある日、社長は部署の前で「A子さんがここまで成長したのは、教育係の支えが大きかった。ウワサに流されず、仕事を見て評価してくれたことに感謝している」と話しました。
するとA子さんも続けて「私が頑張れたのは先輩のおかげです。『ウワサは仕事で消すしかない』って教えてくれましたから」と言いました。
さらに彼女は、少し照れながら「先輩は営業成績だけで評価されにくいかもしれません。でも、資料作りや取引先のフォロー、皆のサポートをずっとしていました。私はそれを見て学びました」と言ってくれたのです。
その言葉を聞いて、私は少し胸が熱くなりました。
まとめ
「数字」だけが仕事の価値ではない。人を支え、信頼をつなぐこともまた、組織にとって大切な仕事なのだと、この出来事を通して私は改めて実感しました。これからも目先の評価だけにとらわれず、人との信頼関係を大切にしながら、地道に仕事に向き合っていきたいと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。








