
私は中学卒業後、現在の会社に入社しました。両親を早くに亡くし、親戚の家でお世話になっていたため、1日でも早く自立したいという思いがあったからです。以来、がむしゃらに働き続け、気付けば勤続10年以上。仕事を任せてもらえることが何よりのやりがいでした。ただ一つ悩みだったのが、同じ部署の先輩・A田さんの存在だったのです――。
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契約直前で横取りする先輩
A田さんは有名大学出身で、ことあるごとに学歴や実家の話を持ち出す人でした。
「やっぱり仕事は地頭だからな」
「中卒でここまで来られたんだから十分だろ」
そんな言葉を冗談のように言われたこともあります。
さらに困っていたのが仕事の進め方でした。私が時間をかけて進めた案件が契約直前になると、「ここからは俺が担当する」と言って引き継がれてしまうのです。私が「え……でも」と戸惑っていると「中卒の役目は終わりだな」と冷たく笑いながら言い放ちました。
表向きは先輩による最終確認という形でしたが、契約が成立すると成果はA田さんのものになっていました。悔しい気持ちはありましたが、私は目の前の仕事を続けるしかありませんでした。
部長から任された重要案件
そんなある日、部長から呼び出されました。
「次の大型案件を担当してみないか」
突然の話に驚きましたが、部長は「君の仕事ぶりはずっと見てきた。十分任せられると思っている」と言いました。長年積み重ねてきた努力を評価してもらえた気がして、うれしかったのを覚えています。
ところが、その案件のサポート役に名乗り出たのはA田さんでした。部長は少し迷っている様子でしたが、人員の都合もあり、私たちは一緒に案件を進めることになったのです。
しかし実際には、A田さんはほとんど準備をしませんでした。私は不安を感じながらも、資料作成や事前調査をひとりで進めることにしました。








