
私は現在、広告代理店の営業企画部で働いています。「早く現場で学びたい」という思いから中学卒業後すぐに社会へ出ました。決してラクな道ではありませんでしたが、数字と実績で評価され、現在は主任を任されています。学歴に引け目を感じることもありましたが、現場経験を糧に前向きに仕事に向き合ってきました。ところが、ある人物の存在が、そんな日常に小さな波紋を広げていったのです。
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心の支えは、業界で活躍する弟の存在
忙しい毎日の中で、弟・B男と過ごす短いコーヒータイムは、私にとって大切な息抜きです。弟も同じ広告業界に身を置いており、企画・プランニングを手がける会社を経営しています。規模は大きくありませんが、実績を重ね、業界内でも一定の評価を得ていました。困ったときに率直な意見をくれる、頼もしい存在です。
ある日、私は職場の人間関係について、思わず弟に愚痴をこぼしてしまいました。職場には、学歴を強く意識する同僚・A山がいます。会話の端々で「自分は大卒」「留学経験がある」と語り、私に対しても、「中卒の努力がどこまで通じるか、見ものですね」と、冗談とも本気とも取れる言い方をすることがありました。
私は役職上は先輩にあたる立場でしたが、衝突を避け、できるだけ距離を保っていました。ただ、度重なる発言に、正直なところ心が疲れていたのも事実です。
弟は「どんな職場にも、価値観の違う人はいる。最後は結果と信頼だよ」と静かに励ましてくれました。
大学とのタイアップ企画を巡る緊張
そんな折、企画部で都内の大学とのタイアップ案件を担当することになりました。私は「学生参加型で情報発信力を高める企画」を提案し、部長からも一定の評価を得ました。ところが会議中、A山が異議を唱えます。
「少し発想が古い気がしますね。大学案件なのに、どうしてこの人が?」
学歴や経歴を持ち出す発言に、場の空気が張りつめました。私は冷静に、「ターゲット理解と実行力が重要だと思っています」とだけ伝えました。
数日後、この案件はA山がリーダーを務めることに。本人の強い希望があったと聞き、私はチームの一員としてサポートに回ることにしました。








