
現在44歳の私は、数年ぶりに本社の営業部へ戻ることになりました。新しい環境での再スタートに気持ちを引き締めていたのですが、そこで思いも寄らない出来事が起こったのです。24歳の若手社員・A山から、なぜか「新人のパート」だと決めつけられてしまい……。
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初日から始まった見下し発言
本社復帰初日。営業部で業務の説明を受けていると、A山という若手社員が、必要以上に距離を詰めてきました。
「新人のパートですよね? 俺、営業部のエースなんで」
いきなりのタメ口に驚いていると、私の年齢をどこかで知ったらしく、「44歳? じゃあ、オバサンですね」と、悪びれる様子もなく口にしたのです。
さらに、業務とは無関係な指示を出したり、他の女性社員について軽率な発言をしたりと、見過ごせない態度が続きました。私はその都度、「それはお受けできません」と冷静に対応しましたが、A山が改める気配はありませんでした。
後日、上司から「A山については、以前から指導が入っている」と聞き、私は状況を理解しました。その上で私は、すぐに立場を明かすのではなく、現場の実情を自分の目で確かめることを選びました。
周囲には最低限の配慮をしつつ、A山からは引き続き「パート扱い」を受ける立場で接することにしたのです。
態度が変わらないまま迎えた転機
1週間、2週間と時間がたっても、A山の態度は改まりませんでした。
「パートは気楽でいいですよね」「手が空いてるなら、ちょっとした用事をお願いできます?」など、軽口のようでいて、明らかに立場を見下した言い回しが続いていました。
そんなある日、来客対応の話になった際、私はあくまで業務上の確認として、「では、来客用のコーヒーは、社長室のマシンを使いましょうか」と口にしました。するとA山は、思わずという様子で声を荒らげました。
「え? 社長室なんて、あなたが入れるわけないじゃないですか」
私は表情を変えず、「今は、経営に関わる立場として本社に戻っています。社長室の使用も、業務上の権限として認められています」と事実だけを伝えました。A山は言葉を失い、しばらく私の顔を見つめたまま固まっていました。
「先月の全体朝礼で、本社復帰と担当役割について説明があったはずですが……覚えていなかったのですね」
そのやりとりを聞いていた周囲の社員たちは、思わず視線を交わしました。A山だけが、話の前提を理解していなかったことに、皆が気付いた瞬間でした。








