
私は家庭の事情から高校へ進学できず、中学卒業後すぐに働き始めました。それから15年ほどたった、30歳の年のことです。中学時代の同窓会が開かれるという連絡が入りました。連絡をしてきたのは、同級生のA山でした。彼は昔から自分の家が裕福だという話を好んでするタイプで、正直、あまり良い思い出はありませんでした。
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学歴に縛られた過去と、同窓会の誘い
同級生のA山は、「30歳の節目だし、100人くらい集まる大きな同窓会なんだ。友だちが少なかったお前にも、参加する権利はあるだろ?」と、どこか上から目線の物言いに引っかかりを覚えつつも、私は案内された日時と会場を確認しました。
そして同窓会当日。指定された会場へ向かうと、そこではまったく別の祝賀会がおこなわれており、受付で「本日の同窓会の予約は入っていません」と告げられました。不審に思い、すぐにA山へ連絡すると、電話口から聞こえてきたのはあざけるような声でした。
「そんな話を真に受けるなんてさ。今どき中卒なんて珍しいし、やっぱり頭が回らないんだな」
続けて、学歴を引き合いに出した言葉や、こちらを見下すような冗談めいた発言が並びました。私は感情的にならず、静かに「そういうことをして、本当に大丈夫なのか?」と返しました。
私はこれまでの人生を振り返りながら、落ち着いて伝えました。「俺は学歴には恵まれなかったけれど、その分、働きながら経験を積んできた。今は自分なりに選んだ道を歩いているし、後悔はしていない」と。しかしA山は聞く耳を持たず、親の紹介で大きな会社に就職したことや、順調な生活ぶりを語り続けました。
電話を切った後、私は心の中で決めました。——過去に縛られるのではなく、これからの自分で向き合おう、と。
数日後に訪れた再会の場
数日後、私はA山に「近いうちに、仕事の関係で君の会社に行くことになる」とだけ伝えました。すると彼は笑いながら言いました。「どうせうちの取引先の下請けだろ? 立場をわきまえないと、話がなくなることもあるぞ」という言葉に、私はそれ以上反論しませんでした。
後日、私は重要な取引先の関係者として、A山の勤務先での会議に出席しました。正式な場で紹介された瞬間、A山の表情が一変したのを、今でもはっきり覚えています。
会議後、私は関係者に対し、業務上気になった点として、感情的な発言や配慮に欠ける態度があったことを冷静に伝えました。あくまで事実と印象を述べただけで、個人攻撃をするつもりはありませんでした。
私は自分が歩んできた道、努力して積み重ねてきた経験についても簡単に説明しました。








