
8歳の孫娘の遠足当日。「楽しんできてね」とキッズケータイに送った何げないメッセージに、思いがけない返信が届きました。そのひと言をきっかけに、私は娘の行き過ぎたしつけの実態を知ることになります。これまで親の教育方針にはできるだけ口を出さないようにしてきました。しかし、孫の心と体に負担がかかっていると感じた以上、見過ごすわけにはいきませんでした。
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自分の夢を子どもに押しつける娘
8歳の孫娘・B奈の遠足当日、「楽しんできてね」とキッズケータイにメッセージを送ると、すぐに返信が届きました。
「ばあば」
「私のお弁当がないの」
一瞬、意味がわかりませんでした。「忘れちゃったの?」と聞き返すと、返ってきたのは「違うの。お昼ごはんは食べちゃダメってママに言われたの。私、太り過ぎなんだって」という思いがけない言葉……。胸がざわつきました。
娘のA美は、B奈にバレエを習わせています。「毎日練習しているんでしょ?」と聞くと、A美は誇らしげに「プロを目指すなら今が大事なの。小さいころからの積み重ねよ」と言いました。
A美は昔、バレエに憧れていたそうです。「私は始めるのが遅かったの。だから娘にはチャンスをあげたい」と。その気持ちは理解できます。けれど――。
初めて観た発表会の日、私は純粋に感動しました。「ステキだったわ」と伝えると、A美はB奈の前で「今日は100点中20点。軸も足も表情も全然ダメ」と言ったのです。私は言葉を失いました。
「厳しくしなきゃ大成しない」とA美は言います。けれど、B奈の表情は次第に曇っていきました。
8歳に必要なのは、制限ではなく安心
遠足のお弁当を持たせない理由が「体型管理」だと知ったとき、私は迷いました。親の教育方針に祖母が口を出すべきではない。そう思ってこれまで距離を保ってきました。ですが、8歳の子どもが楽しみにしている遠足で、昼食を我慢する状況は看過できませんでした。
私は学校の集合時間を確認し、間に合うようにお弁当を届けました。B奈はほっとした顔で「ありがとう」と言ってくれました。その小さな声が、私の背中を押しました。
後日、A美と話をしました。「過度な制限は心配よ」と伝えると、「素人が口を出さないで」と強い口調で返されました。A美なりに、娘の将来を思ってのことなのでしょう。けれど、子どもの心身が追い詰められていると感じた以上、私は黙っていられませんでした。
その後、夫婦間で何度も話し合いがおこなわれました。B奈の体調や生活の様子について、学校や周囲の大人も交えて現状を整理することになったのです。最終的には、両親が別々に暮らすことになり、B奈は父親と生活を共にする形に落ち着きました。日常の養育や学校生活のサポートは、父親が中心となって担うことになったのです。
私も、これまで見てきたB奈の様子や、遠足の日の出来事について率直に伝えました。感情的に責めるのではなく、「子どもにとって何が安心できる環境なのか」という視点で話をしました。








