
私は40代後半の独身女性です。70代後半になる両親と暮らしています。父は若いころの農作業の無理がたたり、股関節を痛めて手術をしました。そして退院後は、介護が必要な状態になってしまったのです。母と私の奮闘する毎日。ある日の出来事でさりげなく父が言った言葉が、私を揺さぶることに……。家族の気持ちも前向きに変化したのです。
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初めての介護、大変さをひしひし感じる日々
父が股関節を手術し、4カ月の入院。退院し自宅に戻ってきたときには、介助しないと、もう昔のようには歩けなくなっていました。病院でのリハビリの成果か、つえを使えばなんとか歩けますが、ひとりでは不安な状態。しかも歩くだけではなく、生活全般にわたり介護が必要になっていたのです。
自分でできることはやろうとする父でしたが、高齢に加え、入院生活の影響で足腰の筋力が低下。暮らしの中にさまざまな困難が待ち受けていました。大変なことの一つはトイレ。立ち座りには限界があるようで、その都度母が呼ばれて介助をしています。
他にも普段の着替えや、夜寝る際、何度もトイレに起きなくて良いようにはく下着の装着など、母は面倒がらずに頑張っていました。私たちは父のために懸命に世話をしたものの、初めての介護で、その大変さもひしひしと感じる毎日でした。
「もうダメ…」元気な母にもついに限界が!
そんな生活が続いた数カ月後のある日の夜、両親の寝室からゴトッという大きな音が聞こえたのです。父がふらついて転んだ!と思い、私は慌てて2人のもとへ行きました。見ると、父はちゃんと自分のベッドに横になっています。けれどその横に倒れ込んでいたのは母。うわごとみたいに「もうダメ、もうダメ」と言っていました。
大きな声で呼びかけても母には聞こえないのか、首を振りながら、同じ言葉をつぶやくばかりです。さすがに元気な母でも毎日の介護が体にこたえ、気持ちも限界を迎えていたのでしょう。私は一瞬うろたえましたが、横にいる父の姿を見ると、父はまだ寝る前の下着などの着替えが終わっておらず、心細そうな様子でした。とりあえずは、風邪をひかないように着せてあげなければと思い、私は動きだしました。








