
成長の節目に現れる、子どもの反抗期。小さいころの「イヤイヤ」に比べて、思春期の反発はかなり手強いと感じる方も多いのではないでしょうか? 子どもと真正面からぶつかった3人の母親のエピソードを紹介します。
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エスカレートする娘の態度

年ごろの娘と夫の3人で暮らしている私。娘が思春期に差しかかり、夫を避けるようになりました。夫も「仕方のないこと」と理解を示し、私も「そのうち落ち着く」と思っていました。娘の成長はうれしい半面、夫が避けられる姿を見るのは親として寂しい気持ちもありました。
ある日曜日、家族でゆっくり過ごしていたときのことです。夫と私がコーヒーを飲んでいると、娘が部屋から出てきました。「コーヒー飲む?」と聞くと、娘はうなずいたのでキッチンへ向かいました。そのとき、信じられない光景を目にしました。
夫が「たまには一緒に出掛けるか? 洋服とか欲しいものないの?」とやさしく声をかけた瞬間、娘は「娘の服のことに口出すなんて変態じゃん! お金だけくれればいいんだよ! キモい!」と叫びました。
その言葉に、私の堪忍袋の緒が切れました。いかなる理由でも暴力は良くないことですが、キッチンから娘の前に駆け寄り、思わず平手打ちをしてしまいました。娘は驚きで固まり、しばらくして大泣きし始めました。
私は娘を抱きしめ、椅子に座らせました。思春期でイライラすることが増えるのは理解できると伝えつつ、言っていいことと悪いことがあること、今の言葉は絶対に許せないことを真剣に話しました。夫も困った顔をしていましたが、「お父さんも傷つくことはある。無視をするのはやめてほしい」と静かに伝えました。
今でも忘れられないあの時間
娘が夫に謝り、私もたたいたことを謝罪しました。
平手打ちした頬はすぐに冷やしたので、少し赤くなった程度で済みました。それでも、娘をたたいてしまったという事実は、私の中に暗い影を落としました。娘は「自分が悪かったから大丈夫」と言ってくれましたが、申し訳ない気持ちでいっぱいでした。
◇◇◇◇◇
その後、娘は思春期特有の不安定な気持ちやイライラを打ち明けてくれました。じっくりと話し合い、私たち夫婦もかつて同じような経験をしたことを伝えました。思春期のつらさを乗り越える方法は、娘自身で見つけるしかありません。親として、そして大人として、私たちは娘の成長を見守り、支えていこうと思っています。
著者:齊藤香苗/40代女性・主婦
イラスト/もふたむ








