
結婚式は「想定外」の宝庫。入念な準備を重ねた新郎新婦のみならず、参列者も例外ではありません。小さな親切が裏目に出たり、一瞬の油断が大きなトラブルを招いたり……。結婚式に参列した3人の忘れられないハプニングを紹介します。
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友人の笑顔が救いになった

結婚式の受付を任されたあの日、私は思いがけないトラブルに巻き込まれました。緊張と焦り、そして友人のやさしさが心に残る、忘れられない体験です。
大学時代からの友人の結婚式に招待されました。「ステキな式にしたいから」と頼まれ、私は二つ返事で受付を引き受けることに。大切な友人の晴れの日に少しでも力になれたらと、当日を楽しみにしていました。
ところが、いざ受付に立つと、思っていた以上に緊張しました。次々とゲストの人がいらっしゃり、ご祝儀を受け取る手が少し震えていたことを今でも覚えています。「丁寧に、失礼のないように」と自分に言い聞かせるほど、空回りしていくのを感じました。
善意の行動が誤解を招いた
そんな中、あるゲストから受け取ったご祝儀袋の口から、中のお札の端が少しのぞいていることに気付きました。おそらく中袋を使っていないタイプのご祝儀袋だったのでしょう。「このままお渡しするのは申し訳ない」と思った私は、良かれと思って、そのお札をそっと中に押し込もうとしてしまいました。
他のゲストの目に触れないようにと、結果的にテーブルの少し下で、手元を隠すように作業したのがいけませんでした。そのこそこそした動きが、後ろに並んでいた方の目には「ご祝儀袋から何かを抜き取っている」ように見えたのです。
「ご祝儀泥棒だ!」という鋭い声が聞こえてきて、私は一気に顔が青ざめました。まさか自分の善意の行動がそんなふうに疑われるなんて夢にも思っていなかったので、頭の中が真っ白になりました。すぐに事情を説明し、誤解は無事に解けたものの、冷や汗が止まらず、しばらく心臓がドキドキしっぱなしでした。
幸い、後で事情を聞いた友人は「そんなことがあったんだ。丁寧にありがとうね。大丈夫だよ」と笑って許してくれました。そのやさしさに救われたものの、恥ずかしさと申し訳なさで、その後の披露宴の記憶はほとんどありません。
◇◇◇◇◇
良かれと思ってした行動が、大きな誤解を生んでしまうことがあるのだと痛感しました。受付での失敗は恥ずかしかったですが、友人の温かさに救われました。正しいマナーを知ること、そして正しい知識と、丁寧さが大切だと、身をもって実感した1日でした。
著者:名古屋祥子/30代女性・会社員
イラスト/きりぷち








