
私は26歳で、食品会社の企画部に勤めています。中学生のころに父が病気になり、私は家計を支えるため、高校進学はせずに働くことを選びました。最初は地元支社の事務補助から始めましたが、少しずつ任される仕事が増え、正社員登用を経て本社の企画部へ異動することになったのです。ところが、社長の息子であるA男が入社してきてから、職場の空気が少しずつ変わっていったのです――。
★関連記事:「ホームセンターのほうが安いだろ」商品をバカにした新社長…取引終了後、青ざめたワケ
評価されるたびに向けられる敵意
本社へ異動して数年。私は企画部で複数のプロジェクトを任されるようになっていました。
ある日も、廊下で社長とすれ違った際、「この前のプレゼン、よかったよ。引き続き頑張ってくださいね」と声を掛けてもらいました。うれしく思っていると、その様子を見ていたA男が不機嫌そうに舌打ちしました。
A男は社長の息子で、私と同い年。別部署での研修を終え、最近になって企画部へ配属されてきたばかり。「俺は社長の息子だぞ」と周囲に威張ることが多く、社内でも問題視されていました。
さらに私に対しては、
「中卒のくせに、何でお前なんかがここにいるんだ?」
と嫌みを言ってくることもあったのです。私は相手にせず仕事を続けていましたが、次第に違和感を覚える出来事が増えていきました。
消えた資料と奪われた成果
ある日、社内会議で使われた資料を見た私は驚きました。そこには、私が部内共有フォルダに保存していた企画案とよく似た内容が使われていたのです。
その企画案は、上司や関係部署に確認してもらうため、社内ルールに従って共有フォルダへ保存していたものでした。市場分析の切り口や構成まで似ていたため、私は強い違和感を覚えたのです。
その後も似たようなことが続いたため、私は資料の管理方法を少し見直すことにしました。共有フォルダに保存する資料とは別に、調査に使った資料名や数値の算出過程、作成途中のメモを手元に残しておくようにしたのです。
数日後、「今回のプレゼンはA男さんが担当する」と知らされました。私は嫌な予感を覚えましたが、あえて何も言わず様子を見ることにしたのです。







