
私の祖父は現在98歳。今でも毎日畑仕事をこなし、10歳年下の祖母と仲良く買い物に出かける、元気いっぱいで自慢のおじいちゃんです。そんな祖父は昔話が大好きで、遊びに行くたびに若いころの武勇伝を聞かせてくれます。中でも、祖母の前では少し照れくさそうに話す「忘れられない出来事」があるのです――。
★関連記事:「嫌なら出ていけ!」不倫を居直る夫と父親の肩を持つ継娘。専業主婦が下した苦渋の決断
思い出の土地をめぐる業者との交渉
今から20年ほど前のこと。当時、祖父は開発地区に指定されたエリアに土地を所有していました。思い出の詰まった山を含む土地だったこともあり、売却には迷いがあったそうです。
そんな中、マンション建設会社の担当者・A田さんが何度も足を運び、熱心に交渉を重ねました。
「山の景観はできるだけ残します」
「完成したら上層階のお部屋も優先してご案内します」
そうした言葉を信じ、祖父は土地の一部を売却することにしたのです。
完成直前に知った「約束の食い違い」
それから約1年後。マンションの完成が近づいたころ、祖父は現地の看板を見て驚きました。そこには「完売御礼」の文字があったのです。
慌てて建設会社に確認したものの、当初口頭で説明されていた内容については契約書に明記されておらず、さらにA田さんもすでに退職していたため話は平行線に。
悔しい思いを抱えながらも、祖父はすぐに気持ちを切り替えました。








