臨月になりみぞおちと背中の痛みで眠れません
臨月に入りましたが、毎晩横になるのが苦痛でなりません。妊娠後期から、横向きの体勢で寝ると、しばらくしてみぞおちが痛み出し、10分くらいズキズキ痛むようになりました。臨月に入ってからは、さらにひどい痛みが起こり、みぞおちの裏側の背中にも激痛が走ります。ベッドに入ってからは、なるべく上体を起こしておかないと寝られないので、枕の下にいくつかクッションを敷いて、上体を起こした状態で休みますが、やはり痛みで眠ることができません。毎晩、朝方に2時間ほど眠れればいいほうですし、腰痛も酷くて、寝返りはほとんど打てません。なんとかして眠りたいのですが、出産までこのまま我慢するしかないのでしょうか?
症状から考えて、おそらく逆流性食道炎ではないかと思われます。妊娠すると、大きくなった子宮で胃が圧迫されて腹圧が高くなるため、食道下部括約筋圧が低下して逆流性食道炎が起こりやすくなります。胃液が食道に逆流すると、食道下部に炎症が起こり、胸やけ、胸骨後部や上腹部の痛み、悪心、嘔吐などの症状が現れます。消化のよい食べ物を少しずつとるようにし、過食、脂肪分のとり過ぎにも注意しましょう。柑橘類、たまねぎ、いも類は、下部食道括約部圧を低下させる作用があるため、控えたほうがよいようです。前傾すると胃液が逆流しやすいので、立っているとき、座っているときには前かがみにならないように注意しましょう。上半身を高くして寝るのも有効ですが、症状が強いようですので、制酸剤や胃酸分泌抑制剤などの処方薬を内服したほうがよいと思います。いずれにせよ、胃・十二指腸潰瘍、急性胃炎などの鑑別もしたほうがよいと思われますので、主治医に相談しましょう。