浅田レディース品川クリニック(東京都港区)院長インタビュー
カテゴリー│インタビュー 2018/12/10 12:00

モットーは『幸せ配達人』

「私が留学から帰国して、名古屋大学で顕微授精をはじめたときに、患者さんに『幸せ配達人』と言われたことがありまして。以来その言葉が頭から離れなくなりました。しかしながら、大学病院では不妊治療を続けるのに不向きな点があったため、大学病院をやめてナカジマクリニック不妊センターを開設したんです。それでもやはり限界を感じて、現在の浅田レディース勝川クリニックを開院。患者さん一人ひとりと真面目に向き合って、一人でも多くの患者さんに幸せを届けることが使命だと思っています。

最初は勝川から始まり名古屋、そして今年、品川に開院しました。今回の東京での開院は、東京に住んでいる女性に浅田の生殖医療を提供するためです。実際に名古屋クリニック・勝川クリニックよりも品川クリニックに通院される方の平均年齢はやや高く、高年齢の方が多いですね。さまざまな不妊治療施設を経て、最後の砦として、たどり着いたという方も少なくありません。

そんな、本気で妊娠したい方に、きちんとした治療を施し、一人でも多く幸せを配達したい、そう思って日々進化する技術を研鑽し、一つでも多くの命を誕生させようと3つのクリニックを奔走しています。さすがに大変ですが、幸せを配達すると同時に、ちゃんとした医療者を育てることが大切だと思っています」

「One and done」不妊治療は大変という誤解

不妊治療というと、痛い、通院日数がかかる、費用がかかると思われている方が多いようですが誤解もあるそう。その理由を説明してくれました。

「現在、受精操作をしてできた受精卵を凍結せずに卵巣刺激と同じ周期で、移植する従来の方法をおこなっているクリニックが多くみられます。これは『新鮮胚移植』というものです。なかには刺激をおこなわずに少ない卵子を採卵するため麻酔をかけないことも多くみられます。これが『不妊治療は痛い』と言われる所以でもあります。

浅田レディース品川クリニックはすべて、新鮮胚移植よりも成績のよい『凍結融解胚移植』による『Freeze All:全胚凍結』という方法をおこなっています。これは患者さんの卵巣予備能に合わせて卵巣にある卵子を刺激し、麻酔をかけて1回でできるだけ多くの卵子を採卵して、受精操作をした受精卵を一度凍結します。そして受精卵が着床する子宮内膜を整え、凍結した受精卵を融解して移植する方法です。

卵子の凍結方法の進歩により、受精卵の生存率は99%以上になりました。そのため凍結障害を心配することなく、常に成績のよい凍結融解胚移植を2012年より全症例に施行してきました。さらに、1回の採卵で多くの胚を凍結できれば第1子だけではなく第2子、第3子も採卵したときに凍結した受精卵を使用でき、家族形成計画がより確実になります。こういう方法を私はOne and doneと呼んでいます。

1回で、多くの卵子を確保しておくことができるので何度も採卵する必要がありません。もちろん麻酔をかけますから痛みがありません。第2子、第3子の治療を考えると結果的に費用もかなり抑えることができます。この方法は患者さんにとっていろいろな負担を軽減することができる最良の方法だと思っています。

女性は、お母さんの胎内にいるときから既に一生分の卵子を体に蓄えて生まれてきます。保存されている卵子(原始卵胞)のうち一定の割合で約半年かけて、成熟卵になります。そしてある一定の時期がきたら、卵子は成熟し排卵される仕組みとなっています。そして、多くの卵子はそのまま消滅していきます。

つまり、卵子は体内で、新しく作られることがなく、蓄えを定期的に消費しいるというわけです。新しく作らないのですから、経年とともに体のあちこちが老化するように、卵子も老化してしまうのです。でも、治療を始めたときに採卵し、凍結しておけば採卵した日から卵子の老化を防ぐことができます」

「見えるLab」「待ち時間改革」など優しさがいっぱい

浅田レディース品川クリニックが高い成功率を維持している理由をお聞きしました。

「他のクリニックが、さまざまな考えや経験のもとに治療方針を決めていることなので、比べたりはできませんが、浅田レディース品川クリニックが高度な技術者や、設備、スペースをしっかり確保できているのも、大きな理由と言えるかもしれません。一度に卵巣の中に残っている卵子に見合った多くの卵子を採卵するには高度な卵巣刺激技術が必要であり、また採卵するには、安全な麻酔をするための技術、そして麻酔後に休んでもらうためのベッドが必要になります。浅田レディース品川クリニックではそのために、十分な人材と設備が整った手術室、ゆっくり休養していただけるベッドなどの設備を用意しています。

さらに受精卵のために培養室の環境を限りなくお母さんの体内に近づけ、良い環境を作ることにもとことんこだわっています。培養器もAIを搭載したタイムラプス培養器を医療メーカーと共同開発し、患者さんごとに個別培養しています。

患者さんが安心して、心身ともにいい状態で治療ができるようにも工夫をしています。2010年に名古屋クリニックで始めたことですが、自分の卵が今、どんなところで扱われているのか、見えないことによる患者さんたちの不安を解消し、安心して治療に臨めるように培養室の一部をガラス張りにし、見えるようにしました。今回の品川クリニックも『見える化』しました。

名古屋クリニックの培養室の見学ルームは生命の旅立ちをイメージした『宇宙』がテーマでしたが、品川クリニックは、患者さんたちがリラックスして生命の暖かさを感じながら、見学できるように、森の中に木漏れ日が差し込むような雰囲気にしました。このラボを私たちは『KOMOREBI Terrace』呼んでいます。この培養室が見られる『見えるLab』化は浅田レディース名古屋駅前クリニックが日本では初めてでした。

また、浅田レディース品川クリニックでは最新機器を積極的に使用するなどし、待ち時間をなるべく少なくするように心がけていますが、やはり、ある程度は待ち時間は生まれてしまうんです。そこで、仕事をしながら不妊治療をしている女性のためにスマホやパソコンの充電ができるスペースを設けたり、夫婦でくつろげるようにテーブル席を用意したり、浅田レディース品川クリニックの情報を閲覧できるパソコンを設置したり、ストレスなくお待ちいただけるようにしました。『待ち方改革』という感じですね。

最近は二人目不妊の方の来院も多いですが、実は治療中の患者さんの中にはお子さんを見るのがつらいという方もいらっしゃいます。そのため、親子専用の待合室も設けました。前もって予約いただければ、保育士など専門のスタッフがお子さんをお預かりすることが可能です。安心して受診していたくことができますよ」

処置後、ゆったりしたベッドで体をしっかり回復させます。痛くない採卵をしています。
培養室が見学できる「見えるLab」
さまざまなニーズに対応した待合室。のんびり寝られるチェアやパソコンも設置。
充電ができるテーブルも。集中して仕事をすることも可能です。
お子様連れのママのための親子スペース。防音にも配慮してあります。

痛くない、自分の体に合った治療法を

最後に浅田院長から治療を始める方と治療中の方へメッセージをいただきました。 「不妊治療にはいろいろな方法があります。不妊の原因もいろいろ、施設もいろいろ、医師もいろいろ、成績もいろいろと、私はよく言っています。不妊治療にスタンダードも、ガイドラインもまったくありません。だから、いろいろな声に惑わされずに、自分にあった施設を選んでください。でも、不妊治療は、費用が異常にかかるもの、痛い思いをするのが当たり前だとは思わないでください。麻酔が体に悪影響を及ぼすと思われている方もいるかもしれませんが、痛みを伴わずに採卵するために、ちゃんと麻酔をかけることは大切です。ちゃんとした体外受精はちゃんとした結果に結びつきます。

中にはつらい思いを続けて、努力しても妊娠できず『こんなに頑張っているのにどこが悪いの?』と自分を責める人もいるかと思いますが、本来、医療である不妊治療は痛い、つらいものであってはいけないと思っています。しかし、妊娠は努力すれば必ず100%妊娠できるというものでもありません。結果が悪くても決して自分を責めないでくださいね。結果にこだわり、そして少しでも痛みや苦しみを感じず、治療できる環境を選んでくださいね」

ベビーカレンダー編集部


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