アイレディースクリニック(千葉県野田市)院長インタビュー
「おっぱいケア」は野田市周辺ではいちばん!
「アイレディースクリニックを開業する前、私は小張総合病院や越谷市、山口県、福岡県、石川県などで勤務医をしていました。野田市にやってきたとき、野田市周辺には、充実した産後のおっぱいケアを受けられるところがないことを知りました。実は、産後のおっぱいケアで悩んでいる患者さんはたくさんいます。困っているとき、近くに助産院があれば相談できますが、野田市周辺には助産院がなく、ケアを受けることが難しい地区だったんです。そこで、産前から産後の育児支援、とくに産後の“おっぱいケア”をしっかりと受けられる産院を目指して、アイレディースクリニックを立ち上げることになりました」
「今年の6月で、開業して8年目になりますが、おかげさまで今ではスタッフ全員が私の考え方を理解し、賛同してくれています。自慢のクリニックとして、成長を続けています。野田市保健センターや近隣の施設も、おっぱいケアが必要な患者さんに対して当院を紹介していただけるようになり、そのおかげもあって“おっぱいケアのアイレディースクリニック”として、野田市のみなさんに認知されてきたと思います」
おっぱいケアの秘訣は究極の個別対応
「おっぱい指導は、産後が重要なんです。当院では、まず『母乳カルテ』を作り、しっかりと患者さんの状況を記録しながら、把握していくことからスタートします。入院中は毎日観察し、個別指導をしていきます。退院後は一人ひとりの状況が変わってくるので、当院では産後1カ月健診まで、おっぱい指導に何回来ていただいても無料で対応しています。もちろん、頻度は患者さんそれぞれの状況によってさまざまです。2日おきや1週間おきの方もいらっしゃいます」
「しかし、おっぱいケアの指導方法は一律ではありません。ママもおっぱいも、一人ひとり違うんです。経産婦さんも1人目と2人目では違ってきます。また、スタッフの指導する言葉も、それぞれ微妙に違ってきます。スタッフは、桶谷式の資格を持った者もいれば、そのほかのさまざまな技術を習得している者もいます。患者さんへの対応も、毎日スタッフ同士で相談して指導方法を検討しています。同じ患者さんに対して、あるスタッフが伝えても伝わらないけれど、ほかのスタッフが同じことを伝えると伝わった、ということもしょっちゅうです。要は、患者さんの状況に合わせて、“最適なやり方”を“最適なスタッフ”が“最適な言葉”で対応していくこと。それがアイレディースクリニックの最大の特徴といえます」
「私はマニュアルが好きではないんです。この考え方は、おっぱい指導だけでなく、ふだんの診療でも重要だと思っています。患者さんは、インターネットなどでいろいろな情報を調べてから来られる方が多くなってきました。その情報を得たからといって、自分にとって何がいいか、どうしたらいいかは、患者さん自身が判断できるわけではありません。医師が正しい情報をよりわかりやすくパターン化して、患者さんのライフカード(選択肢)という形で、提示してあげることが重要だと考えています。また、その提示も、患者さんへ伝わりやすい方法を選ぶ必要があるんです」
「個別対応を重視して運営している当院ですが、開業当初はスタッフと意思疎通ができないこともありました。しかし、私の方針やコミュニケーションスタイルをずっとずっと言い続けていると、スタッフも自然と理解を示してくれて、同じ方向を向けるようになりました。もちろん、スタッフの入れ替わりもありましたが、現在では方針を理解し、かつやさしいスタッフが揃っています。当院の規模の場合ですが、自らの考えをスタッフ一人ひとりに直接コミュニケーションしている成果なのかもしれませんね」
明るい院内が自慢です!
「アイレディースクリニックを開業するとき、明るい室内にしたかったので、“光がたくさん入ってくること”を建物のコンセプトにしました。白地の内装にすることで、より明るく清潔感のある室内になったと思います」
これからも野田市と一緒に育児支援を広げていきたい
「野田市の人々は、本当にやさしい人柄の方ばかり。私の大好きな町です。開業から7年、野田市で“おっぱいケア”という特徴のある産院を育ててきましたが、野田市になにか恩返しをしなくては、と考えているところです。各自治体の育児支援への取り組みが活発になってきていますが、シングルマザーの支援など、野田市も育児支援に積極的です。私たちも自治体と協力しながら、地域一体となって育児支援を盛り上げていけるように貢献していきたいと思っています」
取材日は木曜日。午後の休診時に伊藤院長からお話を伺いました。取材の帰りがけ、伊藤院長が趣味の車でお出かけされるところだったので、「パチリ!」と一枚記念撮影させていただきました。やわらかな物腰と笑顔が素敵な伊藤院長に、みなさんぜひ会いに行ってみてください。