イワサクリニック(大阪府枚方市)産院ごはん

お食事の主体はお野菜

取材時のスペシャルディナー「寿司懐石 松花スタイル」

「イワサクリニックのお食事の特徴として、週2回、フランス料理と寿司懐石のディナーを提供しています。

高たんぱくな食材も使用しますが、お料理の主体は野菜です。とくに根菜類を主体にしています。患者さまの栄養面、健康面を考えれば、必然的に野菜が多くなりますね。旬のフルーツも取り入れるようにしています。

長年、小・中・高校の学校給食を担当していたので、栄養バランスの重要性については心得ています。栄養面をおさえたうえでメニューの立案をしています」

「通常のお食事はご家庭でも参考にしやすいメニューにしていますが、スペシャルディナーとしてフランス料理と日本料理(寿司懐石)のどちらかを必ず召し上がっていただけるようにしています。

私がイワサクリニックに来る前は、毎週1回、日曜日にフランス料理を提供していましたが、スタッフも同じものを食べるという理事長の方針に沿って、現在は平日に提供しています」

「寿司懐石の日には、もともと尼崎で寿司屋さんをされていた方に来ていただいています。寿司を含めた和懐石を提供したいと思い、ご縁があって去年からお願いしているんです」

寿司職人の樋口さんは、なんと御年83!まだまだ現役でご活躍中です。

ネーミングもひねりを効かせて、ひと工夫

取材した週の献立表

「イワサクリニックで提供しているメニューのひとつにカレーライスがあるのですが、家庭的な感じのカレー『ママのカレーライス』や、プロの味の『シェフのカレーライス』などがあります。使う食材はあまり変わらなくても、目先を変えて、メニューのネーミングも工夫し、患者さまが『どんなお料理かな?食べたいな』と想像をふくらませていただけたら、うれしいです。

また、『お豆の炊いたん』は五目豆の煮ものなのですが、召し上がっていただくのがお母さんになる方なので、『自分でも作ってみよう』『子どもに作ってみたい』と思ってくれたらというメッセージを込めて作っています」

メニューは1週間単位で違うメニューを考え、季節に合わせてどんどん変わっていくとのこと。デトックスウォーターなど、新しいものも取り入れているそうです。

「食事に関する情報は、テレビやインターネットなどで集めています。情報収集の能力がないとメニューは考えられません。

たとえば“豆ごはん”。それだけだったら普通ですけど、豆ごはんにベーコンを入れ、仕上げにブラックペッパーを加えてみたりと、工夫をしています。また、かまぼこ屋さんが作っている『はんぺん』と『かまぼこ』の間の食材をつかった”あんぺんフライ”というおもしろいお料理もお出ししていますが、そのまま出すより、ひと手間加えることが多いですかね。あんぺんに食材を挟んだりすることもあります」

直接、目で見て新鮮な食材を仕入れます

「私が独立開業していたころからのポリシーなのですが、食材は中央市場へ行って、実際に自分の目で見て仕入れてきます。鮮度のいいもの、季節に応じた旬の野菜など、食材を見ることでメニューを発想できますからね。

市場で仕入れるだけでなく、農家さんから直接仕入れている食材もあります。鮮魚は、明石の鯛など、おいしいものしか仕入れないというこだわりの魚屋さんから仕入れています。人とのつながりやネットワークを駆使して、いい食材を仕入れるようにがんばっています」

味付けは比率が大事、料理はハーモニー

「イワサクリニックのお食事の特徴は、野菜をたくさん使って、ビタミンたっぷりのバランス重視というところです。常に料理はハーモニーだと思っています。

厨房の中はBGMがかかっていて、ジャズを聴きながら調理をすることによって各セクションが機能し、ハーモニー(調和)がとれるんです。食材が奏でるハーモニーもとれるんですよ。

料理は比率がいちばん大事なんです。たとえば、ケーキのおいしい糖度は20度、甘さ控えめなら17~8度。漬物は塩分10~12%、梅干しは20~25%の塩分がないと梅干しにならない、というふうに、栄養面もおいしさもバランスが大事。その比率を守らないと毎回味が違ってしまいますからね」

患者さまの心に届くお食事を

患者さまからいただいたメッセージの数々

「患者さまからは、アンケートの回答のほかに、お食事についてのメッセージもいただいています。『お料理に感動した』とコースターの裏にメッセージを書いてくださったこともありましたね。患者さまにエレベーターで会ったときなど、『ごはんがおいしい』とか、『またイワサクリニックで2人目、3人目を産みたい』というお声を直接聞くこともあります。

安心できる食材で、患者さまの心に届く、心に響くような料理を作って、患者さまがご満足していただけたらうれしいです。イワサクリニックを選んでよかったと思っていただけるよう、料理で患者さまをサポートしていけたらと思っています」

取材をして最も強く感じたのは、首藤シェフは幅広い経験を持った大ベテランにもかかわらず、料理に関する情報に非常に貪欲で、また、「料理を作るだけではなく、語れないと」と仰る通り、料理の理論・知識についても、とにかく勉強熱心だということでした。

まだまだ進化していくイワサクリニックの「産院ごはん」にこれからも注目ですね!

ベビーカレンダー編集部


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