オリエンタルホテル 東京ベイ(千葉県浦安市)産後ケア施設レポート
子育て奮闘中のママに人気! 浦安市がおこなう産後ケアの特徴とは?
テーマパークを中心に一流ホテルが点在する街、千葉県浦安市。市内在住のママと赤ちゃんを対象とした個別型の日帰り型産後ケア事業は、東京ディズニーリゾートRパートナーホテルとして人気を誇る【オリエンタルホテル東京ベイ】と【ホテルエミオン東京ベイ】の客室を利用しておこなわれています。
“オリエンタルホテル東京ベイ”は事業開始当初の2015年から市と連携して産後ケア事業に取り組んでいます。
実際にケアを担当されている産前産後ケア推進協会の助産師・古谷真紀さんに、事業内容について詳しく伺いました。
古谷さん「本事業は浦安市がおこなう産後ケア事業のひとつで、浦安市在住の産後のママと生後120日未満の赤ちゃんを対象に、ホテルのお部屋で助産師がマンツーマンでケアをおこないます。利用当日のカウンセリングをもとにケアプログラムを作成する、いわばオーダーメイドのケアです。内容はさまざまで、育児相談、授乳相談、母体へのケア、お昼寝、入浴などママのご希望に合わせた、個別性のあるものになります」
プランを個別に作成することで、利用者から高い満足度を得られているのだとか。さらに、人気の理由にはホテルの手厚いサービスを受けられるという点もあげられます。
古谷さん「通常、産後ケアといえばご自宅への訪問や病院や助産院、産後ケアセンターなどの施設でおこなうことが多いと思います。浦安市は子育て支援がとても充実していて、市内の施設を活用して産後ケア事業を展開していますが、ホテルにご協力いただくことで、日常とはちょっと違う空間でケアを受けられるという特別感がママたちに好評です。
浦安市に住んでいると市内のホテルに泊まることはなかなかないけれど、これを機に泊まってみたくなったという声もいただきます。オリエンタルホテルには託児サービスのオプションもあるので、上の子を連れてちょっと外に出かけられるきっかけになれば、ということで来られる方も多いですね」
小さい子どもを連れてどこに遊びに行けばいいのか分からず、つい自宅に引きこもりがちのママが外に出るきっかけにもなっているようです。
産後2~3か月はママが孤独を感じやすい時期
一般的に、産後のママたちが家族や助産師のような専門職に頼りたいと感じる時期は産後2カ月~3カ月頃だといいます。
古谷さん「ちょうど1カ月健診が終わったあたりというのは、ママが孤独を感じやすい時期なんです。身体も気持ちもしんどくなってくるころですし、それまで協力してくれていたパパや父母も『1カ月経ったからもう大丈夫だよね』と、通常の生活に戻っていく。待ったなしで始まった子育てについて、ちょっと聞きたい、あるいは困っていることがあっても、誰にどこに頼っていいかわからず一人で悩んでしまう時期でもあります。
そんな時期にここへ来て、助産師に日頃思っていることを、マンツーマンで、周囲を気にせず、いろいろ話せるのがいいのではないかと思います。ママは常に解決策が欲しいわけではなく、悩みや不安な気持ちをただ聞いてほしいということもあります。私たち助産師は、ママに対して”ああしましょう、こうしましょう”というよりも”どっちのほうが楽?”といった感じで、一緒に答えを見つけるような会話を心がけていますね」
決して押し付けることはせず、共感しながらさりげなく導いてくれる助産師さんが、育児に自信が持てずにいるママたちの駆け込み寺のような存在になっているのでしょう。
至れり尽くせりの非日常空間で過ごす、ゆったりとした時間
利用時間は午前11時?午後3時までの4時間。その間、一流ホテルのホスピタリティが育児でヘトヘトのママを全力で癒してくれます。
古谷さん「まず、利用される親子がママサロンの受付で手続きを済ませた後、助産師がお部屋へご案内します。産後ケアのためにご準備したオリジナルブレンドのハーブティーを飲みながら、今日来るまでにどのような産後を過ごされていたのか、赤ちゃんの様子など雑談を交えながら伺い、当日のケアプログラムを作成します。
ゆっくりとお話することで、ママ本人が自分の思っていることや感じたことを、自らの言葉や体験として肯定的に振り返ることができる印象がありますね。利用後のアンケートにも『出産のときにあやふやだったことを明確にできた』『大人と会話したかったことに気づいた』『身内にしか話せない赤ちゃんのかわいいエピソードを助産師さんが一緒に笑ってくれてうれしかった』などのコメントがありました」
古谷さんと楽しく会話をしていると、時間はちょうどランチタイム。ランチにも産後ケアならではのこだわりがあるようです。
古谷さん「ホテルにご協力いただいて、産後ケアのための特別ランチをルームサービスでご準備いただいています。産後の生活でゆっくり食事を味わう時間をもてないというお母さんも多いので、目で見て舌で味わい楽しめるお食事の提供と、ランチをきっかけに食生活を振り返ったり、離乳食のお話をしたりとランチタイムが有意義なものとなるように配慮しています。
また、ママが『たまには一人でゆっくり食べたい!』とご希望される場合は、助産師がお子さんを抱っこしてママサロンへお散歩に行くこともあります。午後は、入浴したり、ベッドでゴロゴロしたり昼寝したりと、のんびりと過ごされるママが多い印象です。オリジナルのアロマオイルを活用してリラックスしたり、客室に備え付けてあるのマッサージ器を利用するママもいらっしゃいます」
実際に産後ケアを利用したママたちの反応
事業の開始当初は主に初産婦さんの利用が多く、全体の7割くらいを占めていたのが、最近では経産婦さんの利用者も増えて半々くらいになっていると言います。
古谷さん「第一子出産後にこの事業を利用されたママが『産後のすごく大変だった時期にここに来て子育てに自信を持つことができたから、2人目も』とリピーターとして来てくださることが今年度は増えてきました。
利用後の事後アンケートでも『助産師さんに子育てをほめてもらえてうれしかった』『自分の子育てをじょうずと言われて自信がついた』『この産後ケアに行った日から元気をもらって子どもが一層かわいく思えた』など、ポジティブな意見を多くいただいています。
ママ友同士の口コミで申込まれる方も増えてきています。”産後ケア”というと、漠然としていてなにをされるのかわからないというお声もよく聞きます。こちらの産後ケア事業では、癒される空間とプライバシーが守られる個室で、専属の助産師に話を聞いてもらうことで、ようやく本来の自分自身を取り戻す……というようなサポートをできると実感しています。
子育て中になにかにすごく悩んだとしても、もしかしたらちょっと眠ればわかることなのかもしれないし、専門家の話を聞いてその通りにした方が近道だと気づくこともあるので、そういうふうに誰かに頼るきっかけに利用してもらえるといいなと思います」
浦安市の日帰り産後ケア(オリエンタルホテル 東京ベイ)の概要
利用できる方 | 利用日時点で浦安市に住民票のある、又は親の住民票が浦安市にあり里帰りしている出産後のお母さんおよび利用日時点で生後120日未満の赤ちゃん(経産婦さんも利用可) 【注】多くの方にご利用いただくため、原則として期間中1回の利用とさせていただいています。 |
ケア内容 | お母さんのためのケア(母体の健康状態のチェック、授乳の相談、親子のふれあい方のアドバイスなど)、赤ちゃんのケア(赤ちゃんの健康状態のチェック、ベビーマッサージなど) |
利用時間 | 利用時間:毎週火曜日・水曜日・木曜日・金曜日 午前11時から午後3時まで 【注】国民の祝日に関する法律に規定する休日、12月23日から翌年1月9日までを除く |
利用者負担金 | 1回 4,000円(お母さんの昼食込み) 【注】市区町村民税非課税世帯2,000円、生活保護世帯の利用者負担金は免除。多児の場合は1人につき1,500円追加(市区町村民税非課税世帯750円、生活保護世帯の利用者負担金は免除)。食事をキャンセルした場合でも利用料金は変わりません。ミルク、おむつなど赤ちゃんに必要な物はお持ちください。 |
お申し込み | 一般社団法人産前産後ケア推進協会(祝日を除く月曜日から金曜日の午前9時から午後5時) 事務局:03-6905-6132 専用電話:080-6572-3173 |
浦安市産後ケア
浦安市では産後のお母さんと赤ちゃんの心身の休養および回復、親子の愛着形成を図り、安心して子育てできるようサポートするため、産後ケア事業がおこなわれています。
- 個別による日帰り型産後ケア:オリエンタルホテル東京ベイ、ホテルエミオン東京ベイ・集団タイプ日帰り型産後ケア:Tomoru助産院(佐野産婦人科)
- 宿泊型産後ケア:東京ベイ・浦安市川医療センター、順天堂大学医学部附属浦安病院
オリエンタルホテル 東京ベイ
1995年開業の、東京ディズニーリゾートR・パートナーホテル。JR京葉線新浦安駅北口直結で、東京ディズニーリゾートRまで1駅3分。また、ホテルから1日最大69便運行するシャトルバスを利用すれば、東京ディズニーリゾートRまで15分の大変便利なホテルです。東京ディズニーリゾートR各種チケットもホテル館内でお求めいただけます。