「ダウン症」知られたくなかったのに…!
私の場合、最初に身内以外に言ったのが、親友だったのですが、告知直後だったのもあり、号泣して電話してしまいました。たぶん、友人は私のショックぶりを電話越しに感じて、友人自身も動揺したと思います。
彼女は、「なんて言っていいかわからない……」と言いました。それは友人のとても正直な気持ちだったと思います。でも、パニック状態の私はその言葉を聞いたとき、受け入れられなかったんじゃないかと思ってしまいました。(たぶん、大丈夫だよ、とか関係ないよ、という言葉を欲しかったのだと思います)。
また、それと同時に、きいちゃんがダウン症だということを告げることによって、言われた相手も動揺し、とても困らせてしまうのだとわかりました。
だからカミングアウトしたら、その相手を悩ませてしまうんじゃないかと思い悩みました。
またある人には、生まれた子が障害があったとメールで告げると、返事が返ってこなかったこともあり、なんで返信くれないんだろう、やっぱり言っちゃいけなかったんだ……!と、またもや ショックを受けてしまいました。(その後、1カ月後に同じくなんて返信したらいいかわからなかったと返信がきました)
これは、彼女たちが特別なわけでもひどい訳でもなく、きっとごく普通の人の反応だと私は思っています。おそらく「障害」というものが身近になかったら本当にどう反応していいかわからないと思うのです。
自分が発した言葉によって相手を傷つけてしまうから何も言えなくなったんだと思います。(もちろん、そうじゃない人もたくさんいます)。
また、実の親に「なんでもっと詳しい検査をしなかったんだ」(←悪気はない)
「きいちゃんがダウン症だったことは親戚に言わないほうがいい」(←これは酷い)と言われてしまったので、「きいちゃんがダウン症だということは言っちゃいけないことなんだ……!」と、そのときは思ってしまい、どんどん心を閉ざしてしまいました。
今思うとぜーんぜん、そんなことないのですけどね(笑)。
今聞いたら、わが親ながら確実に「なんて失礼なっ!」と怒ります(笑)。
でも、きいちゃんのダウン症を隠しておくことは、きいちゃんに失礼じゃないか、それに嘘を抱えて人と付き合うのは、相手に誠実ではなく、嘘の関係しかつくれないのではないか、と真面目に思い悩んでしまいました。
でも、また勇気を出して話しても拒絶反応されたら……!?と怖くて怖くて、誰にも言えない日々が続きました。暗黒時代の到来です(笑)。しかも、かれこれ1年以上悩んでしまったのですよね。ずーーっと同じことで悩んでしまったという。
1年以上悩み続けて、その後どうなったかというと……。まあ、言っても言わなくてもいっか~~~、バレてもいっか~~~、どっちでもいっか~~~という感じです(笑)。いや、やっぱり自分の意思に反してバレるのは嫌です(笑)。
会った人には直接話したりするけど、特にSNSで発表もしていません。なぜこうなったかというと、一番はやはり1年過ぎて私も落ち着いてきて受け入れができるようになったからだと思います。
きいちゃんが生まれてすぐのときはど~~しよ~~~!!とパニック状態で、いわばむき出しのハートというか、何言われても「いたたたたっっいてーー!! いてーーーー!!!! 何すんだよお~~~~!!!」という感じだったのですが、
きいちゃんと一緒に過ごすうちにきいちゃん自身のかわいさに救われ、やがてカサブタができ、むき出し状態ではなくなったからだと思います。(もちろん、まだまだ気持ちの上下はありますよ~)。ダウン症じゃなかったらなあ、といまだに思ったりすることもあります。
ただ、あきらかに2年たって、あのときよりは変わってきました。変わったというか、慣れたというか……だから、もし、今、あのときと同じ状況になったとしても、
親友に「なんて言っていいかわからない……」と言われる。
↓
そりゃそうだよねえ~~~
わかる、わかる、私も逆の立場だったらそ~なるさ~
知人に出したメールが一か月返信こない。
↓
忙しいのかな~? こんなこともあるよね~~。
くらいの反応だと思うのです。
あのころの私はとがったナイフ状態で扱いにくかっただろうなあ……(ご迷惑かけた皆様、ごめんなさい)。あとはやっぱり親の会にはいったり、DK外来に行ったり、インスタ始めて同じ気持ちを共有できる仲間ができたのはとてもとても大きいです。
そして、悩みを一旦放置したのも私にとっては正解ではありました。だから、もし、今、周りにカミングアウトしようかどうしようか、カミングアウトできないっ!!!と悩んでいるママがいたら、無理にカミングアウトしなくても、まずは自分の心を一番大事にして、ゆっくりしたらいいんだよ~~って思います。
もちろん、漫画のA先輩のようにガンガンカミングアウトできる人はカミングアウトして(A先輩の性格ってうらやましい)、そうじゃなければ問題はいったん置いておいて、自分の心が元気になるまで無理しない選択もあるのではないかと個人的には思うのです。
きっと、未来は今より絶対笑っていると思うのです。
著者:星 きのこ
監修/助産師REIKO