夫の呼び名
私は、結婚をするとき娘に「(夫のことを)今まで通り〇〇くんでも、パパでも、どちらで呼んでもいいよ。好きなほうで呼んでね」と伝えました。すると娘は「ほんとはパパって呼びたいけど、すごく恥ずかしいから、しばらくは〇〇くんって呼びたいな」と照れくさそうに答えてくれました。
元々私も夫も、「ママ」「パパ」と呼んでほしい望みや、呼び名などにこだわりがありません。私たちは、娘が呼びたいように呼んでくれたらそれが1番良いと思っていました。
顔を赤くしながら……
結婚して2年ほど経ったころ、そういえば娘は、相変わらず夫を「〇〇くん」と呼んでいるな、と気づきました。娘に「そういえば、最初パパって呼びたい気持ちがあるって言ってたけど、今はどう思ってるの?」と聞いてみました。
すると娘は、顔を赤くしながら「今もパパって呼びたい気持ちがあるけれど、今まで呼んだことがないから、本当に恥ずかしいの〜!」と笑顔で伝えてきたのです。その言葉を聞いて、私は妙に納得してしまったのです。なぜなら……。
現在の娘は
私は、娘が物心つく前に離婚をしていたので、娘は生まれてから1度も「パパ」と呼んだことがないのです。人一倍、照れ屋で恥ずかしがり屋の娘は、初めて口にする「パパ」という言葉を、いざ夫を目の前にすると照れくさくなり言えなくなってしまうそうです。
そのため、実は学校で友だちと「パパ」と呼ぶ練習をしているんだ、と照れながらこっそり教えてくれました。その話を私もこっそり夫に話すと、夫も照れくさそうに、笑顔で頷いていました。
今もまだ、娘は「パパ」と呼んでいません。これからも呼ばないかもしれません。それでも娘と夫はすごく仲が良く、娘の一番の理解者は夫です。周りから「パパって呼ばせないの?」なんて言われたりすることもありますが、家族の呼び名なんて、お互い思いやる気持ちがあれば関係ないなと、私は今の生活で学ぶことができました。
著者:原田みづき
2010年生まれの女の子、2018年生まれの男の子のワーママ。子育て、ファッションが主な関心ごと。