

当たり障りのない会話
保育園の行事準備のため、同じクラスのママたち数人と集まったときのことです。私たちは子ども用の小さな椅子に少し窮屈そうに座り、テーブルごとに分かれて飾り用の花を作ったり、折り紙を折ったりしていました。
普段、送迎のときにあいさつを交わすことはあっても、ゆっくり話す機会はあまりありません。自然と話題は子どものことになり、「最近、イヤイヤ期がひどくて」「うちも朝の行きしぶりが大変で」など、それぞれが共通の話題を口にしていました。
仕事や家庭の事情にはあまり立ち入らず、子どもの話を中心にやりとりするのが、ママ同士の無難な距離感なのだと、そのときの私は思っていたのです。
空気を変えた話題
しばらくして、赤いお花紙を広げていたあるママが、ふっとため息をついて言いました。
「あー、腰が痛い。最近、生理が重くなってきちゃって」
そのひと言に、私は思わず手を止めそうになりました。私の中では、生理の話はとてもプライベートなもので、親しい友人になら話せても、ママ友同士の会話に出るものではないと思っていたからです。少し大げさかもしれませんが、できれば人前ではあまり触れたくない話題だと感じていました。
思いがけず広がった共通の悩み
すると、ほかのママたちがすぐに反応しました。
「わかる! 産後って体質が変わるよね」
「私も経血量が増えた気がして、しんどいときあるよ」
思いのほか自然に会話が続いていき、私も「えっ、みんなそうなの?」と、思わずその輪に加わっていました。
そこからは、産後の体の変化についての話が次々と出てきました。出産前とは生理痛の感じ方が変わったことや、ホルモンバランスの影響なのか気分の波を感じやすくなったことなど、同じような悩みを抱えている人が少なくないのだと知りました。
「生理中に子どもをお風呂に入れるの、大変だよね」
「こういう不調って、なかなか周りに伝わりにくいよね」
そんなふうに話しているうちに、私の中にあった気まずさや恥ずかしさは、徐々になくなっていきました。ほぼ初対面に近い間柄でも、同じくらいの時期に出産を経験し、似たような体の変化を感じているからこそ、自然と共感できることもあるのだと感じたのです。
その後、あるママが「私、今日ちょうど生理2日目でつらいんだよね」と言うと、「え、私も今日2日目」「私もだよ」「えっ、私も!」と声が重なりました。なんと、その場にいた4人全員が、ちょうど生理中だったのです。
「そんなことある?」
「みんな大変な中で来てたんだね」
そう言って笑い合ったことで、その場の空気が少しやわらかくなったのを覚えています。
それまでの私は、生理の話はできるだけ表に出さないほうがいいものだと思っていました。けれど実際には、同じような悩みを抱えている人同士だからこそ、気持ちが通じ合いやすくなることもあるのだと知りました。少し意外で、でもどこかホッとした出来事でした。
著者:新谷けご/40代女性・2013年生まれの娘、2015年早生まれの息子と夫の4人暮らし。年子育児に振り回されっぱなしの毎日。
作画:まっふ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年2月)
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