160分待ちのアトラクションで
当時、長女は10歳、次女がまだ2歳だったので、待ち時間などに不安もありながらも、お姉ちゃんの希望も叶えてあげたくて行くことに決めました。
当日は晴れて気候も心地よく、家族みんなで楽しく過ごしていました。ただ、懸念していた通り人気アトラクションの混み具合はすごく、なんと160分待ち。並び始めて30分ほどがたったころ、長い待ち時間に次女が飽きてしまって、泣いたりぐずったり。その様子を見ているうちに、お姉ちゃんの機嫌まで急降下してしまいました。
子どもたちが2人とも楽しみにしていたアトラクションだったので、乗せてあげたいと思っていたのですが、この状況ではもう難しいかもしれない、夫と諦めようかと話し始めていたときのことです。私たちの前に並んでいた女性4人組が、ちらちら私たちを見ながら、こそこそと何やら話し始めました。
私は「迷惑だよね、ごめんなさい」と心の中で謝りながら、文句を言われるかもとヒヤヒヤして、夫に「早く列を離れよう」と言いました。夫も前のグループの様子を見て申し訳なく思ったのか、「そうだね」と列から抜けようとしたとき……。
「え、待ってよ」前のグループのひとりが声をかけてきました。すると、ほかの3人が持っていたマスコットのぬいぐるみを使って、子どもたちに「こんにちは!」「ぼくと一緒にこれに乗ろうよ!」「順番がくるまでおしゃべりしてくれない?」などと、次々に話しかけてきたのです。
派手な服装のグループだったので、最初は少し警戒してしまい、身構えたのが正直なところです。でも、彼女たちはキャラクターになりきって子どもたちと話してくれて、2人とも大喜び。
さっきまでのぐずりが嘘のように、機嫌もすっかり元通りになりました。その後、順番が来るまでの時間も、ずっと子どもたちとおしゃべりしてくれて、おかげで楽しく過ごすことができました。さらには、先頭に案内された彼女たちは、私たちに先頭を譲ってくれたのです。
あまりにもありがたかったので、アトラクションが終わったあと、改めてお礼を伝えて、子どもたちが選んだお土産を渡しました。見た目だけで『やんちゃそう……絡まれた、どうしよう』と思ってしまいましたが、とてもやさしくて明るい人たちでした。
あの日、見た目だけで「危ないかも」と構えてしまった自分を、今でも反省しています。人を見た目で判断してはいけない、と頭ではわかっていたつもりでしたが、とっさの場面では無意識に線を引いてしまうものなんだな、と。あのとき、声をかけてくれた彼女たちのおかげで、子どもたちにとっても私にとっても、忘れられない一日になりました。
著者:佐藤えり/30代・女性・医療事務。2人姉妹を育てる母。医療機関に勤務。趣味は映画鑑賞。
イラスト:きりぷち
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年4月)
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