会うたびに「お下がりチェック」
PTA役員の集まりのため、末っ子の息子を連れて小学校へ行ったときのこと。そのママ友は私と目が合うよりも先に、息子の服を上から下までじろじろとチェックし、ため息混じりにこう言いました。
「あー……。今日は○○(ママ友の息子)のお下がりじゃないんだね。楽しみにしてたんだけどな」
別の日に公園で偶然会ったときも、彼女は開口一番こう言いました。
「今日も○○のお下がりじゃないのかー、残念!」
冗談めかした笑顔。でも、目は笑っていません。
いつしか私は、「今日はあのママに会うかもしれないから、あのお下がりを着せたほうがいいかな……」と、朝の着替えで息苦しいプレッシャーを感じるようになってしまったのです。
着ていくと今度はダメ出し!?
そんなある日、ついに彼女からもらった服を息子に着せて小学校へ行く機会がやってきました。
「これなら今日は文句を言われないはず!」
そう思って彼女の前に立ったのですが、返ってきた反応は予想外にチクリと刺さるものでした。
「わあ、やっと着てくれたんだ〜! ……でも、やっぱりうちの息子が着ていたときとは、なんだか雰囲気が違うね。うーん、思ったより似合ってないかも!」
(……え? せっかく着てきたのに、そんなこと言う!?)
あれほど着てくることを期待するような発言をしていたのに、いざ着せたら「うちの子のほうが似合っていた」と言わんばかりのダメ出し……。なんだか複雑な気持ちになり、返す言葉が見つかりませんでした。
お下がりなのに執着が強くて…
さらに追い打ちをかけたのが、近所の公園で水遊びをしていたときのことです。その日は別のママ友からもらった水着を着せていたのですが、偶然現れた彼女は息子の姿を見るなり、困惑したような顔で近づいてきました。
「えっ、その水着……。私があげたのは着ないの? あれ、旅行先で一目惚れして、かなり奮発して買ったんだけど……。着ないならあげなければよかった」
まさかの言葉に思わず固まり、とっさに「ごめんなさい……」としか返せなかった私。
わが子のお下がりを大切に思う気持ちは、誰しもが持っているものでしょう。しかし彼女の場合、それは思い出を大切にするレベルを超え、譲ったあともなお、自分の管理下に置こうとする執着のように感じられました。
「今日はチェックされないだろうか」「また何か言われるんじゃないか」……。
会うたびに息子の服をチェックされ、着ていればダメ出しされ、着ていなければ理由を問われる。逃げ場のない監視のような日々に、私はいつしか、彼女の姿を遠くに見つけるだけで心臓がギュッとなるほど、会うのが怖くなってしまったのでした。
お下がりをいただくのはありがたいのですが、「着ているかどうか」を常に監視されるのは、耐えがたい負担です。私自身も、わが子のお下がりを譲る機会があるのですが、「あげたら相手のもの、どうするかは相手の自由」ということを忘れずに、相手の負担にならない対応を心がけたいと思わされた出来事でした。
著者:著者:中村ここみ/30代女性/2016年生まれと2018年生まれの女の子2人、2024年生まれの男の子のママ。花屋に勤務。都会のおでかけスポットや植物に関心あり。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年5月)
※AI生成画像を使用しています