記事サムネイル画像

在宅で働く私にママ友が「ラクでいいね〜」息子のために泣く泣くキャリアを捨てたのに…本音をぶつけた結果

息子が小学校に入学したばかりのころのことです。繊細な性格の息子は学童を嫌がり、小1の壁に直面した私は、外で働きたい気持ちを抑えて在宅ワークを選びました。「人と接する仕事ができたらな……」という思いを抱えながら過ごす中、ママ友から思わぬ言葉をかけられて……。

 

「いいよね」に心がざわつく

繊細な7歳の息子は、小学校に入る前から「絶対に小学校には行きたくない」と言っていました。新しい環境は息子にとって高いハードルだったようで、学童に入ることはもってのほかで、私はフルタイムでバリバリ働くのを断念。「責任ある立場」を任され、仕事こそが自分のアイデンティティだとさえ思っていた私にとって、それまでのキャリアを手放すことは、正直、身を切られるような思いでした。

 

退職後、在宅ワーカーとなり、昼過ぎには学校が終わりひとりで帰ってくる息子を通学路の途中まで迎えに行く毎日。本当は外で働き、人と関わりながら誰かの役に立つ実感がほしいと思っていましたが、当時の私には外で働くことよりも、「子どもが安心して学校へ通える家庭環境づくり」が最優先でした。

 

 

そんな中、参観日の帰り道。フルタイムで働く同じクラスのママ友に「学童に行かせなくていいなんて、ラクでいいよね〜」「こっちは参観日も時間休使って大変よ」と言われました。モヤモヤしつつ、「在宅ワークも、子どもが家にいるタイミングだと邪魔されるから大変だよ~」と返すと「というか、家にいるんだから稼ぎだって微々たるものでしょ? 正直、よくそんな『おこづかい稼ぎ』みたいな仕事で満足できるよね。私たち正社員は責任ある仕事を任されて、秒単位で動いてるの。あなたは好きなときに休めてストレスもなくて、気楽でいいじゃない」とママ友は追い打ちをかけるように、トゲのある「正社員マウント」を投げかけてきたのです。

 

以前は自分もママ友の言うように「責任ある仕事を任されて、秒単位で動いてる」立場で、それを続けたい気持ちがありました。それでも子どものことを最優先にしたいという思いから、後ろ髪を引かれながらも今の選択をしたのに……。ママ友の言葉で、今の自分を全否定されたような気がしてカチンときてしまいました。そして思わず、「私、外で働きたいのをずっと我慢してるんだよ!」と大きな声で言い返してしまったのです。そして、「ラクをしたくてこの道を選んだわけじゃない。息子が学校に行けないかもしれない恐怖と向き合って、悩んで、今の働き方を選ばざるを得なかったの。家族のために自分の望みを捨てることが、どれだけ苦しいか……」と本音があふれてしまいます。

 

 

一瞬、間が空き「ごめん。そんなふうに思ってたんだ」とママ友が表情を曇らせながら言いました。私はハッとして「ごめん、気にしないで」と小さな声で謝りました。

 

ずっと心の中で抱えていた想いを誰にも言えていなかったので、ママ友だってそんな私の気持ちよく知らなかっただけ。それでもひどい言いように腹が立ってしまった私に、ママ友は「私もね、本当は子どもが低学年のうちは家にいてあげたいんだ。でも住宅ローンも教育費もあって、一度キャリアを降りたら二度と戻れない恐怖があるの。毎日必死すぎて、余裕がなくて……。家で子どもを迎えてあげられるあなたが、うらやましいっていうか……ごめんね」と言ってくれました。

 

 

小学2年生になった息子は、最近「今日は泣かずに教室に行けたよ」と笑って話してくれる日が増えてきて、その姿に、少しずつ救われている自分がいます。ママ友とはその後、言いたいことも言い合える戦友のような関係になれました。

 

世間で言われる「小1の壁」は、単に学童の待機児童問題や、時短勤務が使いにくくなるといった制度面だけの話ではないと、今回の件で実感しました。子どもの繊細な心の変化、断念せざるを得なかったキャリア、そして周囲との理解の乖離など、外からは見えにくい「心の壁」こそが、親を孤独にさせる正体なのだと感じました。

 

そんな中、相手の背景を知らずに放たれる言葉は、時に凶器になると実感した今回。私もこれからは、目の前の人の背景に思いを馳せながら、言葉を交わせる人でありたいと思った出来事でした。また、自分の想いをきちんと伝えることで、ぶつかりながらも本音でつながれる関係が生まれることもあるんだなと学べました。
 

 

著者:井島りほ/30代・ライター。小学2年生の息子と、年中の娘を育てる母。おしゃべりが大好きで寝るのが苦手な兄妹と、にぎやかな毎日を過ごしている。

 

作画:ryo

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年1月)

 

ベビーカレンダー記事制作の取り組み
\ この記事にいいね!しよう /
シェアする

  • コメントがありません

気になる記事をまとめ読み

人気連載

新着連載

連載完結

もっと見る

注目記事を探す

人気記事ランキング

アクセスランキング
コメントランキング

お得な無料キャンペーン

ママトピの新着記事

PICKUP