義父の心ない言葉に夫は…
食事中、何気ない会話から私の実家の話になりました。すると義父が突然、「やっぱり家は代々ちゃんとしている方がいい。血筋って大事だからね」と言い出したのです。
さらに、「うちは昔から続いてる家系だから、そういうのは気にする。結婚って、本人同士だけじゃなく相手の家も見るものだからな」と続け、私の方をちらっと見ました。その視線を、今でも忘れられません。
私は母子家庭で育ちました。そのことは結婚前にきちんと伝えていましたが、義父の言葉は「父親のいない家庭は、ちゃんとした家ではない」と言われているように聞こえました。母と私が歩んできた時間まで、家柄という物差しで否定されたようで、言葉が出ませんでした。「気にする家」と言われた瞬間、自分の母や、これまでの家族の歩みまで否定されたような気がして、言葉が出なくなりました。
その場には、当時5歳の娘もいました。子どもなりに空気を感じ取ったのか、いつもならよく話す娘が、急に静かになってしまったのです。
そのとき、黙って聞いていた夫が口を開きました。
「父さん、その言い方はやめて。妻の家族を悪く言うようなことは、俺は聞きたくない。今のは、妻にも娘にも失礼だよ」
夫の声は大きくありませんでしたが、はっきりしていました。その一言で、それまで重く張り詰めていた食卓の空気が一変しました。義父は一瞬言葉に詰まり、少し気まずそうに視線をそらしました。そして「まあ、そういう意味じゃないけどな」と言葉を濁し、別の話題に変えました。
帰り道、娘に「じいじ、ママのこと好きじゃないの?」と聞かれました。夫は少し考えてから、「そんなことないよ。ただ、さっきのじいじの言い方はよくなかったね」と答えてくれました。
その言葉に、私はずいぶん救われました。夫がその場で否定してくれたことは、娘にとっても意味があったのではないかと思っています。
家に帰ってから、夫にあらためて「あの場で言ってくれて、本当にありがたかった」と伝えました。夫も「あれは父さんが悪い」とはっきり言ってくれました。
それ以降、義父の露骨な発言は減りましたが、完全になくなったわけではありません。今でも義実家との距離感には気をつけています。
この出来事から、価値観の違いはそう簡単には埋まらないのだと実感しました。それでも、傷つく言葉をただ受け流さず、「それは違う」と言葉にすることは大事なのだと思います。特に子どもがいる場では、親が黙っているか、きちんと否定するかで、子どもの受け止め方も変わってくるのだと感じました。
今は夫と連携しながら、無理に関係を良くしようとはせず、自分たちなりの距離で付き合うようにしています。すべてをわかり合えなくてもいい。守りたいものだけは守る。そう思えるようになってから、義実家との付き合いも少しラクになりました。
著者:織田みずき/40代女性/2児の母。病院で医療事務をしているワ―ママ
イラスト:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年4月)
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