勝手に前借りしていた店長
高橋さんは、店長についての情報を集めているようでした。宮田さんのことを聞かれたほや助さんは、店長から受けたパワハラの証拠として、暴言メモを提出します。「宮田さんも、ここに書いているようなことを言われていました」。それを見た高橋さんは絶句。「証拠にはならないかも……」と不安になるほや助さんでしたが、高橋さんは「十分です」と言ってくれました。
高橋さんが退店すると、店長はスタッフに対して……。















「話してくれてありがとう。あとはこちらで対応するので、少し時間をください」
私にはそう言って、 店を後にした高橋さん。
高橋さんの様子に異変を感じたのか、店長は不安げでした。自分が窮地に立たされつつあると気付いたのかも知れません。怖っ!
ほや助「先輩たちも証言してくれましたね!」
田中「もっと早く勇気を出してくれていたら、宮田さんもひどい目にあわずに済んだかも知れないけど……」
田中さんは、今まで自分が怒鳴られていても先輩スタッフたちには傍観されていたこともあって、複雑な様子でした。当たり前か……。そして、予想外に証言が多かったことで、私たちが手に入れた証拠画像は不発に終わったのかもしれません。
キャバ嬢さんにサービスで出した高級肉の画像以外に、キャバ嬢さんから送られてきた店長との2ショット画像。そして、「店から給料前借りしてきた〜って、いろいろ飲んでベロベロだったよ」のメッセージ!
その後のやり取りで、なんと店長はこれまでも何度か「前借り」をして、キャバ通いをしていたことも判明していました。自分のシフトのときにこっそり抜いては、翌日返していたらしい……。ですが、ついに「ボロ」が出る日がやってきました。
「調子に乗って宮田さんのシフトの日にも4万円を抜き取ったら、バレて逆ギレ。ダサすぎますね……」
その言葉を聞いた瞬間、私の中ですべての点と線がつながりました。
かつて目撃した、店長の金庫の前での不審な動き。そして、「消えた4万円」をきっかけに始まった宮田さんへの執拗なまでの暴言。宮田さんが本部に言わないよう、あえて大声を出し、嫌がらせをしていたのではないかと思いました。
自分の横領を隠すために、1人の人間を適応障害になるまで追い詰めた。そのあまりにも身勝手で卑劣な真実に、私はあきれを通り越して、激しい憤りを感じずにはいられませんでした。
「たとえパワハラが証明できなくても、店長の規則違反を告発できれば、調査のきっかけになる」
そんな作戦は、パワハラを告発する先輩たちの存在で中途半端に終わったけれど、宮田さんがいなくなってから背負い込んでいた肩の荷が、やっとなくなったようで、心からホッとしていました。
これで店長は処分されるはず……!
宮田さんが去ってから、ずっと私の胸に重くのしかかっていた自責の念と恐怖。それらがようやく、静かに消えていくのを感じました。自分たちの手で真実を届けた。その事実だけで、今の私には十分すぎるほどの勝利だったのです。
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ついに、店長の身勝手な言動のすべてが白日の下にさらされました。消えたお金の真相が「キャバクラ代」だったという事実は、あきれを通り越して言葉もありません。宮田さんを適応障害になるまで追い詰め、職場を私物化していた店長の「化けの皮」が剥がれる瞬間、読んでいるこちらまで深く息を吐き出すような安堵感を覚えます。
田中さんが漏らした「もっと早く勇気を出せていたら」という言葉には、これまでの孤独な戦いの重みが詰まっていて胸が締め付けられます。しかし、ほや助さんたちが震える手で一歩を踏み出したからこそ、沈黙していた周囲も動き出すことができました。正義を求めて動き、ようやく手に入れた心の平穏。その一歩は、これからの彼女たちの人生を支える大きな自信となるはずです。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
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