飲み会がきっかけで急接近した年上男性
彼とは、会社の飲み会で知り合いました。彼は、私が勤める会社の別フロアで働く年上の男性。少し気まぐれなところがある人でしたが、時折見せる無邪気な笑顔や甘えるような仕草に、私は次第に惹かれていきました。
飲み会のあと、私たちは連絡を取り合うようになりました。しかし、「好き」や「付き合おう」といった決定的な言葉は一度もありません。
彼は、私との関係を誰にも知られたくない様子でした。私自身も、中途半端な関係を周囲に詮索されたくない気持ちがあり、正式な交際になるまでは秘密にしておこうと考えていたのです。
あいまいな関係に振り回される日々
関係性に不安を感じた私は、あるとき「他に好きな人がいるの?」と探るように聞いてみました。けれど、彼は「面倒くさいな」と言うだけで、きちんと答えてはくれません。肯定も否定もしない態度に振り回され、私は泣いたり怒ったりしながらも、なかなか離れられずにいました。
連絡はいつも彼の気分次第。返信がくるたびに一喜一憂する毎日でした。会うときも、仕事終わりに突然呼び出されることが多く、私の都合よりも彼の気持ちが優先されているように感じていました。
本当は、都合のいい関係になっているのかもしれない。そう薄々気づいていながらも、彼と離れるほうがつらく、何も言えませんでした。「いつか私だけを見てくれるかもしれない」という期待に、すがっていたのだと思います。
非常階段に呼び出されて…
ある日、めずらしく勤務中に彼から連絡がきました。「話があるから非常階段に来て」という内容です。関係の終わりを告げられるのではないかと不安になりながらも、私は人目を避けて非常階段へ向かいました。
すると、彼は突然、私を抱き寄せてキスをしてきたのです。誰かに見られるかもしれない場所での予想外の行動に、私は驚いて身を引こうとしました。それでも彼は「いいだろ?」と距離を詰めてきて、私の戸惑いや拒む気持ちを受け止めてくれていないように感じました。その瞬間、私はようやく目が覚めたのです。
これまで、彼の気まぐれな態度も受け入れてきたつもりです。しかし、このときばかりは、さすがにこれ以上は無理だと思いました。私は強く抵抗し、その場から走って離れました。
そのときは悲しみよりも怒りのほうが大きく、残りわずかな勤務時間をなんとかやり過ごして、定時で退社しました。そして帰宅後、すぐに彼の連絡先をブロックしました。それ以降、私は会社で彼から視線を向けられても応じませんでした。少しずつ距離を置くことで、ようやく自分の気持ちを取り戻していったのです。
好きという気持ちがあると、冷静な判断ができなくなるときがあります。今思えば、あの出来事がなければ、私はあいまいな関係を続けたままだったかもしれません。つらい経験ではありましたが、自分を大切にしようと思い直すきっかけになりました。
著者:佐藤さくら/30代女性・男の子2人を育てるママ。恋に悩み、喜び、涙した数々の経験をしてきたからこそ書けるリアルな恋愛エピソードを執筆している。
イラスト:はせがわじゅん
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年9月)
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