私を邪魔だという男性に周囲の人々が
妊娠8カ月のころ、駅ビルのエレベーターに乗ろうとしたときのことです。混雑していたため少し待っていたのですが、ようやく扉が開いた瞬間、後ろから来た男性に「妊婦なら階段使えよ、邪魔なんだよ」と強く肩を押されました。
何が起きたのかすぐにはわからず、その場で固まってしまいました。おなかの子のことも心配で、頭が真っ白になっていたのだと思います。
そのとき、近くにいた数人の女性が、すぐに「妊婦さんは優先ですよ」「押すなんて危ないです」と声を上げてくれたのです。男性は「別に押してない」と言い訳していましたが、周りの人たちが「見ていました」「危険です」と次々に抗議してくれて、最後は気まずそうにその場を離れていきました。
私は涙が出そうになりながら、「ありがとうございます」と頭を下げるのが精一杯でした。知らない人たちがこんなふうにかばってくれるとは思っていなかったので、不安でいっぱいだった気持ちが、少しずつほどけていくのを感じました。
あの出来事から、外出するのが少し怖いという気持ちは今も残っています。それでも同時に、「困っている人を見かけたら、自分も声をかけられる人になりたい」と思うようになりました。あの日助けてくれた方々の言葉は、今でもはっきり覚えています。いつか私も、誰かが困っているときにそっと力になれたらいいなと思っています。
著者:山本彩花/20代女性/1歳の男の子を育てる母。現在はパート勤務で育児と仕事を両立しています。人混みが苦手
イラスト:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年4月)
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