あれ? これは返すべき??
当時の私は、まだ子どもたちを自転車に乗せることもできず、買い物へ行くにも、1人をおんぶし、もう1人をベビーカーに乗せて連れて行く状態でした。
そのため、Aさんの申し出をありがたく受け、双子用のベビーカーを使わせてもらうことにしました。高価なものだったため、お礼として商品券とお菓子を渡しました。その後、ベビーカーは2年ほど使用し、外出のたびに大変重宝していました。
息子たちも成長し、「そろそろ使わなくなるかな」と思っていたころ、Aさんから突然、「ねえ、友だちに双子が生まれたから、あのベビーカーを返してほしいんだけど!」と言われたのです。
私は、てっきり譲ってもらったものだと思っていたため、驚いて言葉が出ませんでした。
とはいえ、息子たちはすでに大きくなり、ベビーカーを使う機会もほとんどありませんでした。そこで、「処分する手間が省けたと思えばいいか」と気持ちを切り替え、カバーをきれいに洗濯し、本体も丁寧に磨いて、夫から先輩へ返してもらいました。
ところが、夫の先輩は、Aさんが私たちに返却を求めていたことを知らなかったようです。ベビーカーを受け取る際、とても恐縮していたと夫から聞きました。
その後、Aさんとは自然と疎遠になりました。後日、夫から、先輩はベビーカーを私たちに譲ったつもりだったため、今回の返却に驚いていたようだと聞きました。
少し驚く結末にはなりましたが、息子たちが小さく、毎日の外出も大変だった時期に、あのベビーカーに助けられたことは間違いありません。わが家にとって必要な時期に役立ってくれた、思い出深いベビーカーです。
物を譲ったり譲ってもらったりするときは、親しい間柄であっても、最初に認識を確かめておくことが必要だと学んだ出来事でした。
著者:ニライカナイ/女性・主婦。年子2人の男児を育てた転勤族ママです。現在はサービス関係で働いています。
イラスト:犬野ぽよ彦
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています