ベッドから起き上がれなかった朝
その日は、生理2日目の朝でした。目を覚ました瞬間から下腹部に強い痛みがあり、体を起こすだけでも精いっぱい。予定では買い物や家事を済ませるつもりだったのですが、とても外出できる状態ではありませんでした。
痛み止めを飲もうと思っても、キッチンまで行く気力すらなく、私はしばらくベッドの中でうずくまっていました。
すると、その様子に気づいた恋人が、静かに部屋へ入ってきたのです。
恋人の“ちょうどいい”気づかい
恋人は、「大丈夫?」と何度も聞くわけでもなく、必要以上に心配する様子もありませんでした。その代わり、痛み止めと水をそっと枕元に置き、「今日はゆっくり休んでていいよ」とひと言だけ伝えてくれたのです。
さらに、部屋の温度を少し上げ、ブランケットをかけ直し、おなかを温めるカイロまで用意してくれました。家事についても、「やっておくから気にしないで」と自然に引き受けてくれて……。
その言葉を聞いた瞬間、張っていた気持ちが緩み、思わず涙がにじみました。「今日はちゃんと休んでいいんだ」と思えたのは、久しぶりだった気がします。
体の痛みより、心がラクになった
もちろん、生理痛そのものがすぐ消えたわけではありません。それでも、「無理しなくていい」と思えたことで、心の負担は大きく減りました。
私はそれまで、体調が悪くても「ちゃんと動かなきゃ」と無意識に頑張ってしまうタイプでした。ですが、その日は恋人が何も言わず家事を引き受けてくれたことで、安心して横になることができたのです。
生理中は、体の不調だけでなく気持ちまで沈みやすくなることがあります。だからこそ、必要以上に干渉せず、そっと寄り添ってくれたことが本当にありがたかったです。
この出来事以来、私は「支える」ということの意味を少し考えるようになりました。無理に励ましたり、何かをしてあげようと頑張ったりするより、相手が安心して休める環境を整えることのほうが、心に残る場合もあるのだと思います。
あの日、恋人が見せてくれた“ちょうどいい距離感”は、今でも忘れられません。そして私自身も、誰かがつらそうにしているときには、同じように自然に寄り添える人でありたいと感じています。
著者:中里涼子/30代女性・10年以上ライターとして活動。アメリカの大学への留学経験あり。女性の悩みなど多くのジャンルの記事を執筆。
イラスト:sawawa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年4月)
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