しかし、心のどこかでは、それが八つ当たりだとわかっていたハナミさん。罪悪感に押しつぶされ、自ら命を絶とうと包丁を手に取りますが、異変を察した夫・咲也さんに止められます。
咲也さんは、妻の心が限界を迎えていることを痛感。“親のため”の不妊治療はやめ、実家から遠い場所で再スタートを切りました。
その後、カウンセリングに通いながら、少しずつ穏やかで充実した日々を取り戻していったハナミさん。やがて心境にも変化が生まれ、妊娠と出産を経験。かわいいわが子を慈しむほどに、過去の記憶がよみがえるようになりました。
姉・ツキミさんの容姿を貶し、虐待してきただけでなく、自分のことも“跡継ぎを産むための道具”としか見ていなかった両親。そんな両親に対し、ハナミさんははっきりと違和感を抱くようになります。
そして頭をよぎったのは、ひどい言葉をぶつけて以来、連絡を取っていなかったツキミさんのことで——。
拒絶した姉と再会














不妊に悩み、ツキミさんに「しばらく連絡しないで」と言って距離を置いていたハナミさん。関係修復のため勇気を出して連絡すると、ツキミさんから「会いたい」と返信が届きました。
再会当日。ハナミさんは「捨てた」とウソをついたアクセサリーを身につけ、ツキミさんに会いに行きます。自分の焦りから姉を傷つけた発言を深く反省し、一生背負う覚悟で心からの謝罪を伝えたのでした。
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妊娠や出産に対する考え方は、人によって大きく異なります。子どもを望む人、望まない人、望んでも思うようにいかない人——それぞれに事情や思いがあり、誰かと比べて正しさを決められるものではありません。
思い通りにならない現実に傷ついたり、周囲の言葉に心を乱されたりすることもあるでしょう。 だからこそ、自分の苦しさや価値観を相手にぶつけるのではなく、相手の選択にもその人なりの背景があることを忘れずにいたいものです。
家族であっても、妊娠・出産に関する選択は本人たちのもの。お互いの人生を尊重し合うことが、傷つけ合わないための大切な一歩なのかもしれませんね。
尾持トモ
