緊張で頭が真っ白に
披露宴が進み、いよいよ私のスピーチの番になりました。
名前を呼ばれて前に出たところまではよかったのですが、大勢の視線が一気に集まった瞬間、急に緊張が押し寄せてきたのです。
手に持っていた原稿を見ても文字が頭に入ってこず、何を話そうとしていたのかさえわからなくなってしまいました。
「まずい……」
そう思えば思うほど焦りが増し、会場の空気が遠く感じられたのを覚えています。
冗談を言ったものの空回り
何とか場をつなごうとして、「緊張しすぎて、小鹿みたいに震えてます……」と、とっさに冗談を口にしました。しかし、自分でも驚くほど空回りしてしまい、会場はシーン……と静まり返り、何とも言えない空気が流れました。
その瞬間、顔がぶわっと熱くなり、「早く終わってほしい」と思いながら必死に話し続けていました。
何とかスピーチを終えて席へ戻ったものの、しばらくは恥ずかしさでいっぱいでした。
新郎新婦の言葉に救われて
落ち込んだまま席に戻ると、新郎新婦が笑顔で「緊張しながらも、一生懸命話してくれたのが伝わったよ」と声をかけてくれました。
その言葉を聞いた瞬間、張り詰めていた気持ちが少しほぐれました。周囲の雰囲気も次第に和らぎ、会場には再び温かい空気が戻っていったのです。
完璧に話すことばかり考えていましたが、それ以上に「お祝いしたい」という気持ちそのものが大切だったのかもしれないと感じました。
まとめ
この出来事を通して、冠婚葬祭の場では完璧さだけを追い求めるのではなく、気持ちを込めて向き合うことの大切さを実感しました。
また、思うように話せなかったとしても、その後の態度や誠意によって気持ちは伝わるのだと感じています。
今では結婚式などのフォーマルな場に出席するとき、「失敗しないこと」よりも、「相手を大切に思う気持ちをきちんと届けること」を意識するようになりました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:山口皐月/30代女性・会社員
イラスト:おみき
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年5月)
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