症状を伝えるには動画撮影が有効
長男は4歳のとき、初めてけいれんを起こしました。当時は初めての経験だったので、夫と私で大パニック! とにかく救急車を呼び、私は子どもの名前を叫ぶだけで何もできず。
しばらくして脳波に異常が見つかり、小児てんかんと診断されました。そして担当医からは、「てんかんの発作が今後起こったときはまずは冷静になり、体のどこがけいれんしているのか、何分けいれんしているのかを教えてほしい。それが難しい場合は、スマホでの動画撮影が有効です」と伝えられました。
スマホでの撮影なら私にもできそうだと思い、また長男にけいれんが起こるようであれば、次こそは親としてしっかりと観察をしなければと心に誓ったのです。
次男が高熱で初めてのけいれん
そんなある日、2歳の次男が夜から39度の高熱を出しました。次男の通っている保育園では夏風邪が流行っていたので、とりあえず1日様子を見ることに。そして午前10時を過ぎたころ、急に次男が叫び声を上げました。
目をやると、そこにはけいれんを起こした次男の姿。私はとっさに次男の体を横に向け、スマホを片手に動画を撮影しました。夫も仕事が休みだったため、動画撮影を代わってもらい、私が次男の体を横向きに支えます。幸い、けいれんは1分以内におさまり、その後は救急車で近くの大きな病院へと向かったのです。
動画撮影が状況説明に役立った!
病院へ着いたあと、すぐに病院の先生が次男を診察してくれました。そして「けいれん時の状況を詳しく説明してほしい」と言われたので、伝え漏れがないよう、夫と一緒に撮影した動画を見せることに。先生は動画を見終わると、夫と私を交互に見つめ「貴重な情報をありがとう。とても参考になりました。これは熱性けいれんで間違いありません」と、にこやかに会釈をしてくれました。
極度の緊張下にあった私は、そのときやっと肩の力が抜け、深く息を吐き出すことができたのです。結局次男は夏風邪のヘルパンギーナと診断され、翌日には薬のおかげもあり、元気な姿に戻りました。
「子どもが苦しんでいるときに、動画撮影なんて不謹慎だ」と思う方もいるでしょう。しかし、けいれんの様子をうまく説明できない私にとっては必要な手段でした。これからも子どもたちに何かあれば、症状の経過や変化をしっかりと確認しつつ、必要であれば写真や動画を撮り、病院での説明時に役立てていこうと思っています。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
イラスト/ののぱ
監修/助産師 松田玲子
著者:堀江ゆうき
二男の母。現在第三子を妊娠中。現在はフリーランスとして育児をしながら、体験談・出産・妊娠についての記事を執筆。