ママ友に貸した娘のワンピースの行方
娘が幼稚園に通っていたころのことです。娘には、お出かけや行事のときに着せていたお気に入りの海外ブランドのワンピースがありました。
胸元の刺繍や特徴的なボタンのデザインがかわいく、娘も私も気に入っていた一着です。まだ娘にも着られる服でしたが、同じ幼稚園に通うママ友から「友だちのバレエの発表会を見に行くことになって。娘にも少しよそ行きの服を着せたくて」と相談されました。
友だちの発表会に行くためならと思い、私は「終わったら返してね」と伝えたうえで、ワンピースを貸すことにしました。
発表会が終わったころには返ってくると思っていたのですが、その後もママ友から連絡はありませんでした。そこで私は、「あのワンピース、近いうちに娘が着る予定があるから、都合のいいときに返してもらえるかな」とLINEで尋ねました。
するとママ友から、「本当にごめんね。出先で汚して慌てて着替えさせたときに、どこかに置き忘れてしまったみたい」と謝罪の返信が届きました。高価な服だったこともあり、正直とてもショックでした。ただ、わざとではないのなら責めても仕方がないと思い、「そうだったんだね。わかったよ」と返して、その場では話を終えました。
しかし翌週、別のママ友から送られてきた幼稚園行事の集合写真を見て、私は思わず手を止めました。
写真には、以前ワンピースを貸したママ友の娘さんが写っていました。そして、その子が着ていた服は、なくしたと聞いていたワンピースとよく似ていたのです。胸元の刺繍や特徴的なボタンまで、娘が持っていたものと同じに見えました。手作り品ではないものの、あまり見かけないデザインだったため、私はすぐに気づきました。
とはいえ、写真だけで「間違いなくうちの服だ」と決めつけることはできません。私は感情的にならないように気をつけながら、次に幼稚園で会ったとき、ほかの保護者が少ないタイミングでママ友に声をかけました。
スマホに集合写真を表示し、「この前、なくしたと聞いていたワンピースに似ているように見えたのだけれど、確認してもらえるかな」と尋ねました。
するとしばらくして、ママ友から謝罪の連絡がありました。娘さんが着ていたのは、やはり私が貸したワンピースだったそうです。なくしたと思い込んでいたわけではなく、返すタイミングを逃してしまい、どう伝えようか迷っていたとのことでした。
翌日、ワンピースは無事に返ってきました。私はひとまず安心しましたが、「なくした」と聞いていたぶん、以前と同じような気持ちで接することは難しいと感じました。
その後は、幼稚園で会えばあいさつをするものの、個人的な貸し借りや自宅を行き来するような付き合いは控えるようになりました。
大切なものを貸すときは、相手との関係が良好でも、返却の時期や扱いについてあらかじめ確認しておくことが大切だと感じました。また、疑わしいことがあっても、証拠がないうちに決めつけず、事実を確かめながら冷静に対応することの大切さを学んだ出来事です。
著者:小林理恵/40代女性/5歳の女の子を育てる専業主婦です。現在は幼稚園の送り迎えやママ友との付き合い、休日に家族で出かけるショッピングが日々の楽しみです。
イラスト:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年5月)
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