共働きの新生活を機に、夫に家事分担を提案
私たち家族は夫の転勤のため、実家から離れた場所で暮らすことになりました。幸運にも引っ越し先で私の仕事と子どもたちの保育園が見つかり、これから「共働き」という新しい形の生活となります。私は「時短勤務」での雇用となりましたが、これを機に、夫には、家事や生活費の分担を考え直すため「話し合ってちゃんと決めようね」と提案していました。
ところが話し合いをしようとしていたある日、夫は新たな職場に慣れないせいか機嫌がとても悪く、相談できる雰囲気ではなかったため、次の日に延期。しかし翌日も、その翌日も夫の機嫌の悪さは変わらず、なかなか話し合いまで進めません。転勤して間もなくて毎日大変なのは理解できますが、これからの生活について2人でちゃんと決めたいのに、自分のことばかり優先して応じようとしない夫に不快感が募ります。
私が「あのさ、大変なのはわかるけど、そろそろ分担の話をしようよ」と急かすと、夫は「疲れてるんだからしょうがないじゃん。てかさ、何を話すの? これ以上俺ができることって何よ? ごみ捨てはしてるだろう」と若干キレ気味です。
その瞬間、私の我慢は限界に達しました。夫の発言からは、「俺は外でフルタイムで稼いでいるんだから、家事の調整くらいは時短のお前がしろよ」という意識が見え見えです。私は怒りを抑え、静かに「わかった。じゃ、あなたにできることをまとめておくからね」と伝え、夫も「あ~わかった」と返してきたのです。
翌朝、寝起きの夫に「昨日話した、あなたのできることリスト! よろしくね」と言って1枚の紙をプレゼントしました。リストに記載したのは「裏返しの靴下を元に戻す」「シャンプーの詰め替え」「ゴミ袋のセット」「玄関の靴の整理」「排水溝の掃除」など10項目。私は「これ全部やっても1日たったの30分。靴下とかゴミ袋とかはすぐ終わるし、簡単でしょ?」と話しました。しかし夫は「しょうもないな」と鼻で笑い、紙をクシャクシャにしたのです。もちろんその態度に腹は立ちましたが、そこでへこたれる私ではありません。私は冷ややかな笑みを浮かべて「あらそう。しょうもないことならいいか」と言い、次の計画を立てたのです。
翌日から私は、掃除も洗濯も、料理もいつも通り行いながら、夫の「しょうもない」と思っている家事を、一切行いませんでした。
3日が過ぎたころ、夫はついに爆発。「おい! なんで俺の裏返しの靴下が、裏返しのままタンスにしまってあるんだ! それにシャンプーが切れてるのに、なぜ誰も詰め替えない! 玄関の靴も出しっぱなし、ゴミ袋もセットされてない! お前、一日中何をしてるんだ! なんのための時短勤務だよ!」と嘆いたのです。
私が時短勤務にしたのは、まだ子どもが小さく突発的なお休みなどが発生する可能性も考慮し、自分の業務量を過度に抱えないためでした。それは夫にも伝えています。しかしそのことも全く頭から抜けていたのか、「家事を担うための時短」と言い張る夫に心底呆れ、あの日くしゃくしゃにされた、夫への家事リストを取り出しました。
そしてそれを再度突きつけ、「あなたがしょうもないって言ったのよ。でもこのしょうもない家事、担わなかったら困るわよね? いつも誰が担ってたと思う?」と夫にグイグイ問い詰めたのです。さらに、「あなたが気づきもしない細かな作業の積み重ねで、私の毎日の家事時間が毎日30分増えるの。30分あれば料理の品数はもう一品増やせるし、子どもとのおままごとも十分にできるのに」と事実を告げました。
さすがの夫も懲りた様子。「……ごめん」と呟き、自分でひっくり返った靴下を直し始めたのでした。次の日から夫は、しぶしぶながらも、自分のリスト項目を少しずつこなすように。今では「洗剤のストックどこ?」と聞く前に、自分で棚を確認する習慣もついたようです。リストによる可視化と、実際にその家事の必要性を体感させることは、わが家の平和を守る一歩となりました。
実際に家事をリスト化すると、自分でもこんなに家事があったのかと驚くほどの量をこなしていました。ほんの少しでも夫と共有したことで私自身の負担も減り、夫も自ら動くようになったことが何よりもうれしかったです。夫婦仲の改善にもつながった貴重な“話し合い”でした。
著者:木村凛/30代・ライター。4歳と1歳の兄妹を育てる転勤族ママ。繊細な長男と怖いもの知らずな娘の対応に追われる毎日。早く子どもを寝かせて自分磨きの時間も大事にしている
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年2月)