大きすぎるプレゼントの提案
あれは、やっとの思いで授かれた待望の赤ちゃんに、どんな未来が待っているのだろうかと胸を躍らせていたころのことです。義両親への妊娠報告も済ませ、毎日幸せいっぱいに過ごしていた私のもとに、義父から「赤ちゃんが遊ぶ用のジャングルジムがあるんだけど、いる?」という一通のメールが届きました。
赤ちゃん用の小さなおもちゃかと思い写真を見せてもらうと、そこには幼児が遊ぶような大きなジャングルジムが写っていたのです。いただくにしてもさすがに気が早すぎますし、何より私たちが小さなアパートで暮らしていることは義両親も十分承知しているはずでした。
そのため、「ありがとうございます。お気持ちはうれしいのですが、部屋が狭く、遊べるまで置いておく場所もないので、今回は遠慮させていただきます」と断りの連絡を入れると、義父からは「わかりました」とだけ返信がありました。
断ったはずなのに!?激怒する義父
その後、ついに赤ちゃんが生まれ、出産のお祝いにと義両親が会いに来てくれることになりました。しかし、到着した軽トラックの荷台を見た瞬間、私は思わず目を疑いました。そこに載っていたのは、以前はっきりとお断りしたはずの、あの大きなジャングルジムだったのです。
夫もあぜんとするなか、両親にあまり強く言えない夫は仕方なく受け取ろうとしていましたが、物事をはっきり言うタイプの私は「すみません、受け取れないので持って帰ってもらってもいいですか?」とお断りしました。
すると義父は、「なんだその態度は! せっかく持ってきたのに!」と激怒したのです。まさか怒られるとは思っていなかった私は、戸惑いのあまり言葉が出ませんでした。
夫の一言でなんとか納得してくれて…
さすがに見かねた夫が「父さん、嫁は断りの連絡を入れたよね? 悪いけれど、やっぱり持って帰ってくれ」と物申してくれました。しかし義父は「トラックのレンタル料が無駄になる」と文句を言い始めます。
夫が食い下がって「レンタル料なら俺が支払うから、とにかくうちにジャングルジムは置けない」ときっぱり告げると、義父はしぶしぶ納得したようでした。
正直、レンタル料など払いたくはありませんでしたが、これ以上何か言うと収拾がつかなくなりそうだったため我慢し、その日はそのままお開きになりました。
最終的にジャングルジムは持ち帰ってもらえましたが、一度はお断りを承諾してくれていただけに、なぜ強行してしまったのだろうと複雑な気持ちになりました。きっと「孫に喜んでほしい」という一心からの、義両親なりの善意だったのだと思います。そして、こちらのアパートの事情までは気が回らなかったのかもしれません。
私の言い方ももう少し丁寧に伝えるべきだったと反省する一方で、良かれと思っての行動だからこそ、こちらの気持ちがうまく伝わらない難しさも実感しました。
その後、義両親から特にこの件に触れられることもなく、何事もなかったかのように接してくるため戸惑いはありますが、息子のことはとてもかわいがってくれています。モヤモヤは少し残りつつも、相手の善意を汲みつつじょうずに付き合うことの大切さを学んだ、貴重な経験となりました。
著者:甲斐 ますみ/30代女性。2018年生まれの息子、2021年生まれの娘、夫の4人家族。仕事と家庭の両立を目指して、楽しく育児中。
取材・文:伏見 みどり
イラスト:ななぎ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年7月)