レポート課題の協力を強要するママの真相
長女出産直後、将来を見据えて学資保険を検討していたころの出来事です。各社からパンフレットを取り寄せ、どの会社にするか、または投資など別の方法で貯めるか、私は悩んでいました。
ある日、子育てサークルで子どもの教育資金について相談。まわりの母親から「うちは〇〇社の学資保険」「うちは貯金や投資で対応する予定」と教えてもらい、有意義な情報交換の場となりました。
その帰り道、40代くらいの母親・Aさんに声をかけられます。2歳くらいの女の子を連れたAさんとは、子どもの年齢が違うこともあり、サークルの場では会話したことがありません。しかし、どうやら先ほどの会話を聞いていたそうで、「さっき、教育資金のこと相談されていましたよね。実は私、子育てしながらFP(ファイナンシャルプランナー)の資格を取るためにスクールで勉強中なんです」と話しかけてきました。
Aさんは続けて「今度、実際のママのライフプラン表を作るっていうレポート課題があって……。もしよかったら、練習台になってくれませんか? 怪しい勧誘とかは絶対にしないし、〇〇さんの教育資金も無料でシミュレーションできるから損はないと思うんです。すぐ近くのカフェで、少しだけお話聞かせてもらえませんか?」といって近くのカフェを指しました。
私が「今日は時間がないので」と断ると、「ちょっと名前と数字を書くだけだから! ね? 提出期限が近くて本当に困ってるの!」と腕を強くつかんで離してくれません。「本当に時間がないので……ごめんなさい」と、必死に振り切ろうとした途端、Aさんは激怒。「ちょっとくらい協力してくれたっていいじゃない! こっちだって生活かかって必死なんだよ! 困ってるあなたのために、親切で言ってあげてるのに!」と怒鳴り始めたのです。
娘にこんな声を聞かせたくないと、つかまれていないほうの手で必死に娘を抱きかかえ、困り果てていると、子育てサークルの部屋から人が! 出てきたスタッフが異変に気づいて駆け寄り、「Aさん! サークルでの勧誘はやめてくださいって伝えましたよね?」と一喝。Aさんは「いや、勧誘じゃないから! 資格のレポートを手伝ってもらうだけだから!」と言い逃れしようとしますが、スタッフに「相手が嫌がっているのに腕を掴んで引っ張るのは、勧誘以前に立派な犯罪です。これ以上やるなら、今ここで警察に通報しますよ?」と言われると、血相を変えて逃げるように去っていきました。
後日、スタッフから聞いた話によると、Aさんは経済的に激しく困窮しており、実際は資格の勉強などではなく、特定の保険や投資の契約に繋ぐための「実績」を探して、地域のサークルを転々としていたそうです。その後、Aさんは他の場所でもトラブルを起こし、地域で完全に孤立してしまったと風の噂で聞きました。連れ回されていたお子さんの寂しそうな表情を思い出すたび、今でも胸が痛みます。
振り返ると、サークル内で、「何もわからないから不安」「誰か詳しい人に教えてほしい」と、自分の無知と、誰かになんとかしてほしいという人任せともとれる姿勢を丸出しにして発言していた私。Aさんのような保険や投資の契約をしてくれそうな人を探している人にとっては、いいカモだったのだと気づきました。母親としてわが身と子どもを守るために、金銭が絡む話は不特定多数の人に聞かれるような場所でするのは避け、相談する場所や相手を慎重に見極めるべきだと学びになった出来事でした。
著者:館山はるか/30代・自営業。生後7カ月の女の子を育てるママ。趣味はお菓子づくりで、子どもが大きくなったとき、いっしょにキッチンに立つ日を楽しみに子育てを頑張っている。
作画:yoichigo
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年2月)