何もかも私のせいなの?
長女が1歳のときの話です。動物に興味を示し始めた娘のために、家族で動物園へおでかけすることにしました。
休日の動物園は、たくさんの家族連れで大賑わい! 大人が背伸びをしても、動物が見えないほど混み合っています。そのため、移動中はベビーカーを使い、動物を見るときだけ夫と私で交互に娘を抱っこすることにしました。娘は初めて見る動物に大興奮! 楽しそうにしている姿に「連れてきてよかったね♪」と、夫婦で喜んでいました。
広い園内を回り、そろそろ帰ろうと夫は娘をベビーカーへ下ろします。私が「パパ、ベルトお願いね!」と言うと「はいよ~」と返事をした夫。私はその声に安心し、お手洗いへ行きました。そして、戻ってベビーカーを私が動かした瞬間です。「どんっ!」という大きな音とともに、娘の泣き叫ぶ声が! ベビーカーの前を見てみると、なんと、娘が地面に落下していたのです! 額には大きな切り傷ができ、出血もありました。
「ベルトは!? してなかったの!?」と私が駆け寄ると、夫は「お前がベルトをちゃんと確認しないからだろ!」と、ありえないひと言を放ち、娘の落下を私のせいにしたのです。
しかし、娘をベビーカーに乗せたのは夫。夫がベビーカーのベルトをつけていなかったにもかかわらず、私に責任転嫁する態度が悲しくなりました。そこへ、ひとりの女性が私たちのもとへ駆けつけ、「休日診療してる病院があるから、連れて行ってあげる!」と、声をかけてくれたのです。動転していた私はその親切な申し出に甘えることにし、女性に先導されて急いで病院へと向かいました。
診察の結果、幸いにも娘のけがは大事に至っておらず、私たちは胸をなでおろしました。女性にお礼を告げると、「大事にならなくてよかったわ」とほっとした表情を見せ、「それにしても、みんな一緒ね」とくすっと笑ったのです。
「みんな一緒ってどういうこと……?」と夫婦で疑問に思っていると、彼女は実はこの病院に勤務する看護師で、彼女もかつて、自分の子どもをベビーカーから落下させる全く同じ失敗をしており、当時はそのことで夫と激しい大げんかになったという経緯を話してくれました。目の前で慌てふためき、お互いに責任を擦り付け合っている私たちの姿が、当時の自分たち夫婦の状況と完全に一致したため、当時の記憶が蘇ったそうです。
女性は夫に向かって、「これは付け忘れてしまったパパの不注意がよくなかったと思うわよ。なんでも奥さんが確認しないといけないなんて理不尽だし、お互いに声を掛け合うことが大切よ」とやさしく話しました。
話を聞いた夫は気まずそうに「ごめん。ほかのことに目が行って、つけ忘れたんだ。まさかこんなことになるなんて思わなくて、パニックで自分のせいって認められなかった」と、謝ってくれました。私も夫が付け忘れるなどと思わず、きちんと自分の目で見てからその場を離れるべきだったと、夫に任せっきりだったことを反省。その後、私たちはお互いを信頼しつつも、きちんと自分たちの目で安全を確認しなければならないことを共通の認識にしています。
自分のミスで招いた事故を他人のせいにする夫の責任転嫁は、やはり間違っていると感じます。しかし今回の出来事を通じて、夫の態度を責めるだけでなく、私自身もお互いに相手任せにしすぎていた点を見直すきっかけとなりました。子どもを守るのはママだけでもパパだけでもなく、親である私たち2人の責任だということを心に改めて刻めた出来事でした。
著者:村沢ゆな/30代・ライター。15歳と12歳のおませな娘たちと、4歳の甘えん坊な息子を育てるママ。毎日の育児にドタバタしながらも、家族に内緒で優雅なカフェランチを満喫するのが趣味。
作画:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年2月)