うちの子のメニューをあてにするママ…
息子の通っていた幼稚園では、毎月1回午前保育の日がありました。ある午前保育終わりのお迎えのとき、ママ友Aが「ランチ行こ!」と誘ってきたのが月一ランチ会の始まり。
そしてある日、幼稚園で親子ともに仲がいい3組のママ友といつものようにみんなで近所のファミレスへ。私の隣にAさん親子、向かいにほかの2組のママ友親子が座り、それぞれがメニューを見ながらタブレットで注文しました。しかししばらくして順番に食事が運ばれてくるも、Aさんの食事が一向に来ません。するとAさんの娘さんが「おなかすいたー!」とぐずりだしたのです。
不思議に思った私は「何頼んだの? ごはんくるの遅いね?」と尋ねると「あー食事は頼まなかったの! ドリンクバーだけ。うちの子少食だから食べきれないし、私も朝食べたのが遅くておなかすいてないんだよね」と笑いながら言うAさん。これには私もほかのママ友たちも困惑しましたが、その間にAさんの娘さんは、隣に座る私の息子が注文したお子さまランチのポテトを欲しがり始めました。その様子を見たAさんは、驚きの言葉を口にしたのです……。
「それ、ちょっと分けてあげてくれる~?」とAさんが指したのは、息子のポテト。息子は仕方ないといった様子で少し分けてあげていましたが、娘さんは、おなかがすいていたのでしょう。結局ポテトだけでは済まず、息子のお子さまランチは半分ほど食べられてしまいました。物足りなさそうにする息子を見て、私も自分の食事を息子に分けることに。会計は家庭ごとでしたが、Aさんがわが家の分を少し払うような言葉も素振りもありませんでした。
これが1度なら許せたのですが、その後も毎回Aさん親子の「分けて」攻撃は続きました。ほかの子どもたちはAさんの娘さんに欲しがられても「あげたくない!」と拒否できるタイプでしたが、息子はなかなか「イヤ」と言えないタイプ。そのせいか、毎回息子の食べ物がターゲットにされてしまうのです。
私が「いつもうちの子のを欲しがるし、娘ちゃんおなか空いてるんじゃない? 何か頼んだら?」と言っても、「あーそんなに食べないからな~」とヘラヘラ言いながら頼んでくれません……。
そんなある日、衝撃の事件が起こるのです。今月もいつも通りのファミレスでランチ会。まるで当たり前かのように、Aさんの娘さんは息子のお子さまランチに手を伸ばしてきました。すると、息子はめずらしく全力で拒否。さすがに息子も毎回取られるのが嫌だったよう……当たり前です。
ところが、息子に嫌がられても負けないAさんの娘さん。次第にけんかになってしまい、Aさんの娘さんが大声で泣きわめき始めました。そのときAさんが「いつも分けてくれてるじゃん〜。なんで今日はダメなの? ちょっとぐらい分けてくれてもいいのにねぇ」とまるで息子が悪者かのように言うではありませんか! さすがの私もカチンときた瞬間、「ギャーギャー泣いてうるさいと思ったら……」と後ろから声が。
振り返るとそこには、後ろの席に座る年配の女性がいたのです。私は思わず「すみません」と謝ろうとしたのですが、女性は続けて「さっきから大きな声で話していたから聞こえてたけど。あなた、毎回こんな恥ずかしいことをしているの? 人様の食事を取るなんて……」と言います。どういうこと? Aさんと知り合い? と疑問に思って隣のAさんを見ると、顔が真っ青でした。
そう、この女性はAさんと同居している義母だったのです。たまたまご近所さんと食事に来ていたAさんの義母。義母よりあとから入店したAさんは、子どもたちに気を取られて義母の存在には気づいていなかったようでした。義母に叱られて、さすがのAさんも反省したよう。それ以降、Aさんもきちんと子どもの食事を注文してくれるようになりました。
子どもが小さいうちは、出された料理を食べきれないこともあるでしょう。しかしだからといって、人の食事を毎回分けてもらうというのはどうなのかと思ってしまいました。仲がいいと相手に甘えてしまうこともありますが、親しき中にも礼儀ありという言葉を胸に、自分も甘えすぎていないか気をつけようと改めて感じた出来事でした。
著者:立川りか/30代・ライター。6歳の男の子を育てるママ。息子の好きを全力で応援するため日々奮闘中。虫が大の苦手だが、息子の虫取りに付き合ってきたおかげで少しだけ耐性がついてきた。食後のデザートや週末の晩酌がご褒美。
イラスト:Pappayappa
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています