ひとりで進めていた新居の準備
新居の引き渡しを終え、引っ越しまでの間、私は少しずつ荷物を運び込みながら掃除や片付けを進めていました。一方、夫は仕事がとても忙しく、休日も出勤になることが少なくありませんでした。
「今日は仕事だから行けない」
そう言われることも多く、新居の準備は私ひとりで進めるのが当たり前になっていました。もちろん仕事なのだから仕方がないと理解していましたが、広い家でひとり黙々と作業をしていると、ふと寂しさを感じることもありました。
それでも、「夫も頑張っているんだから」と自分に言い聞かせながら、新生活の準備を少しずつ進めていたのです。
思いがけず現れた夫
その日も、夫は「今日は仕事で行けない」と話していました。私はひとりで新居へ向かい、玄関を掃除したり、荷物を整理したりしていました。
2階で荷ほどきをしていると、玄関のほうからガサガサと物音が聞こえてきました。不審に思って窓から外をのぞくと、そこには仕事のはずの夫が。しかも、私に声をかけることもなく、突然玄関まわりの雑草を抜き始めたのです。
私は慌てて外へ出ました。
「えっ!?今日、仕事じゃなかったの?」
すると夫は、「少しだけ時間ができたから。せっかくだし、自分にもできることはないかと思って」と照れくさそうに笑いました。
黙々と雑草を抜く夫の姿を見て、胸がじんわり温かくなったのを今でも覚えています。
夫は、普段から口数が多いタイプではありません。「大丈夫?」「無理しないでね」といった言葉をかけてくれるわけではないのですが、その代わりに行動で気持ちを伝えてくれる人なのだと、あの日改めて感じました。
新生活が始まると、思うようにいかないことや不安を感じる場面も少なくないと感じます。言葉にしなくても、相手を思う気持ちは行動から伝わるのだと実感した出来事でした。
著者:皆木まどか/30代女性・日常の気づきや体験談をもとにしたコラム、エッセイ形式の文章を中心に執筆。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年5月)
※AI生成画像を使用しています
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