山奥の秘湯へ
私たち夫婦は、日帰りで温泉に出かけるのが好きです。中でも家族風呂は、のんびり湯船に浸かりながら、忙しい毎日ではなかなか話せないようなささいな出来事をゆっくり話せるので、楽しみの一つでした。
ある日、夫が「山奥に家族風呂があるらしい」と聞いてきて、次の休みに行ってみようという話になりました。
出発前に、ネットで調べた電話番号に「家族風呂は当日予約制ですか?」と電話をしたところ、「受付で当日予約を承っております。気を付けてお越しくださいね」と案内され、私たちは安心して現地へ向かいました。
到着したものの
山道をかなり走って、ようやくカーナビに入れた住所へたどり着きました。けれど、着いた瞬間に妙な違和感がありました。人の気配がまったくないのです。建物の外観も、営業している施設には見えず、長い間放置されていたように見えました。あまりにも静かで、さっきまで楽しみにしていた気持ちが、すっと冷めていったのを覚えています。
さすがにおかしいと思い、近くに車を停めて、もう一度ネットで調べ直しました。すると、ページを何度かスクロールした先の口コミに、その温泉は何年も前から営業していないと書かれていたのです。その瞬間、出発前に電話で聞いたあの声を思い出し、背筋がひやりとしました。
閉業しているなら、どこかにそれとわかる表示が出ていてもよさそうなのに、検索結果にはそれらしい案内が見当たりませんでした。電話番号もそのまま掲載されていたため、疑うことすらしませんでした。
一つだけ残された謎
私たちは「こんな山奥だし、情報がうまく更新されていないこともあるのかもしれないね」と話しながら、来た道を引き返しました。ただ、どうしても気になったのは、出発前の電話です。たしかにこちらの質問に受け答えをして、「気を付けてお越しくださいね」とまで言ってくれていました。
夫は「別の場所で営業を再開していて、電話が転送されたのかもしれないね」と言っていましたが、結局、本当のことはわかりませんでした。今振り返っても、あのとき電話に出た相手が誰だったのかは謎のままです。
まとめ
今回の出来事で、ネット上に情報があるからといって、必ずしも今の状態が正確に反映されているとは限らないのだと気付きました。便利さに頼りきらず、自分でもたしかめる視点を持つことの大切さを感じました。それでも、あの電話の相手のことだけは、今でも思い出すたびに少し背筋が寒くなります。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※AI生成画像を使用しています
著者:磯辺みなほ/30代女性。ゲーマー。発達障害持ちの夫と2人暮らし。大変なことも多い中、それ以上にネタと笑顔にあふれる毎日を送っている
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年6月)
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