「これ、おいしい!」と夢中になっていると…
私の場合、食べ放題では、一度にたくさん取るのではなく、気になる料理を少しずつ味わいながら何度もおかわりをするのが好きです。その日も、ショットグラスに入った前菜や色鮮やかな野菜料理を少しずつ選び、席へ戻りました。
中でも特に気に入ったのが、トウモロコシをペースト状にして生クリームと合わせたムースのような一品。ひと口食べると、トウモロコシの甘みが口いっぱいに広がり、「これ、おいしい!」と思わず声が出てしまうほどでした。
私は夫にも「これ、おすすめだよ」と伝えましたが、そのとき夫はまだ別の料理を食べていたため、「あとで取ってくるよ」と言い、そのまま食事を続けていました。
「取ってきたよ~!」夫のお皿を見ると!?
しばらくして、夫が満面の笑みで席に戻ってきました。
「取ってきたよ~!」
そう言ってテーブルに置いたお皿を見て、私は思わず目を丸くしました。私がおいしいと言っていたトウモロコシのムースはもちろん、から揚げやグラタン、パスタまで、お皿いっぱいに盛られていたのです。
「えっ、こんなに!?」
驚いて尋ねると、夫は当たり前のように「半分は君の分だよ」と答えました。気持ちはとてもうれしかったものの、私はすでにかなりおなかいっぱい。
「どうしよう……。もう限界かも」
そう思いながら何品かいただいたものの、結局食べ切ることはできず、残りは夫に食べてもらうことにしました。
理由を聞いて思わず笑顔に
私は「次からは私の分まで取ってこなくて大丈夫だよ」と伝えました。すると夫は、不思議そうな顔でこう言ったのです。
「え? 人気だから、なくなったら悲しいと思って」
思わず私は吹き出してしまいました。
「ビュッフェだから、なくなっても、きっとまた補充されるよ」
そう言うと、夫は少し照れくさそうに「おいしいって言ってたから、たくさん食べられたほうがうれしいかなって」と笑いました。
私はその気持ちに感謝しながらも、食品を無駄にしたくありませんし、「私は少しずつ好きなものを楽しみたいタイプだから、次からは自分の分だけ取ってきてね」とお願いしました。
それ以来、食べ放題では料理は自分の分は自分のみが取りに行くのがわが家のルールになっています。同じ食べ放題でも、楽しみ方や食べるペースは人それぞれです。相手を思う気持ちはもちろん大切ですが、「どうしたい?」と相手のペースを尊重することも、同じくらい大切なのだと感じた出来事でした。
著者:堀川京香/30代女性・2020年生まれ、2022年生まれの女の子を育児中の2歳差姉妹ママ。生理不順を機に前職を退職。自身の経験を元に妊活・出産・育児について執筆中。
イラスト:マメ美
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2025年8月)
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