勝手に冷蔵庫を開けたと思ったら、さらにママ友は
ある日、親しくしていたママ友とその子どもを、初めてわが家へ招きました。到着するとすぐに子ども同士は遊び始め、ママ友も「広くていいね」と言いながらリラックスした様子で過ごしていました。
ところが、しばらくすると、ママ友が何気ない様子で冷蔵庫を開けたのです。
「これ、飲んでいい?」
あまりにも自然な振る舞いだったため、私は驚きながらも「あ、うん……」と答えるしかありませんでした。
さらにキッチンのほうをのぞき込み、「他に子どもが飲めそうなものある?」と探すように言われ、だんだん戸惑いを感じるように。わが家の冷蔵庫を勝手に開けられたことにも戸惑いましたが、初めて家に招いた相手に注意するのも気が引けて、その場では何も言えませんでした。
そして、昼時が近づいたころのことです。子どもたちが「おなかすいた」と言い始めると、ママ友が私にこう尋ねました。
「子どもたちもおなかすいたみたい。何か簡単に作れるものある?」
私は耳を疑いました。午前中だけ遊ぶつもりで、昼食を用意するとは伝えていません。それなのに、ママ友は私が何か作ることを当然のように期待している様子でした。
「今日はお昼までの予定じゃなかったから、何も用意していなくて……」
そう伝えようとしましたが、子どもたちはすでにおなかをすかせています。ママ友も私の返事を待つように、こちらを見ていました。
冷凍うどんなら人数分あることを思い出し、私は断り切れず、「うどんなら用意できるけど……」と答えました。
するとママ友は、すぐに笑顔になりました。
「助かる! うちの子、うどん好きなんだよね」
そして、手伝おうとする様子もなく、子どもと一緒に席に着いたのです。
私は双子の分も含め、急きょ全員分の昼食を作ることになりました。気づけば、わが家なのに、まるでお店のように飲み物も昼食も用意する流れになっていました。その日は何事もなく終わりましたが、ママ友親子が帰ったあと、私はどっと疲れてしまいました。
もちろん、最初にはっきり断れなかった私にも反省点があります。しかし、親しい間柄でも、勝手に冷蔵庫を開けたり、昼食を作ってもらうことを前提にしたりするのは、私には理解しにくい行動でした。
親しいと思っていても、他人の家での過ごし方や、飲食物に対する感覚は、家庭によって大きく異なるのだと思います。
この出来事以来、誰かを家に招くときは、「今日はお昼前までにしよう」「飲み物とおやつはこちらで用意するね」など、滞在時間や食事について事前に伝えるようになりました。親しい相手だからこそ、お互いが気まずい思いをしないための線引きが必要なのだと感じています。
著者:野中 まゆ/30代女性。2022年生まれの男女双子の母。13年保育士として勤務。出産を機に退職し、現在は保育士経験や自身の子育て体験をもとに、在宅で執筆業務をおこなっている。
イラスト:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年7月)