僕を救ってくれた少し派手な姉妹
15年前、小学生だった僕はとても貧乏な家庭で育ちました。両親は忙しく、家にお金もご飯もない日が多く、公園のベンチでおなかをすかせて泣いていたこともありました。
そんな僕にいつも優しく接してくれたのが、近所で有名だった「ヤンキー姉妹」のふたりでした。
見た目は派手で少し怖そうに見えましたが、とても情に厚いふたり。
「貧乏に負けるな」「いっぱい食べて強くなれ」と言って、よく温かいお弁当を分けてくれたのです。
ふたりがくれた優しさと美味しいご飯のおかげで、僕は惨めな気持ちにならずに育つことができました。
「将来は自分も、お腹をすかせた人を笑顔にするお弁当屋さんになりたい」という夢を抱くようになったのも、ふたりのおかげです。
15年後、ボロボロ姿での再会
それから15年が経ち、僕は努力の末に自分のお弁当屋をオープンさせました。
ある日の夕方、店に見慣れない女性ふたり組がやってきました。服は泥や埃で汚れ、髪もボサボサでボロボロの様子です。
ふたりは不安そうな表情で100円玉を1枚差し出し、「所持金が100円しかなくて……これで何か売ってください」と申し訳なさそうに言いました。
その顔をよく見ると、なんと幼い頃に僕を助けてくれたあのヤンキー姉妹だったのです。
「あなた達は……!?」と僕は驚きを隠せませんでした。
話を聞くと、ふたりは勤めていた会社の倒産や身内の不幸が重なり、職と家を失って路頭に迷っていたとのこと。数日間まともな食事もとれておらず、途方に暮れてたどり着いたのが、たまたま僕の店だったのです。

恩返しと新しいスタート
僕はすぐに特大の温かい特製弁当をふたり分作り、「代金はいりません。昔、僕を助けてくれたお礼です!」と渡しました。
ふたりは最初きょとんとしていましたが、僕が当時の少年だと気づくと目から涙を溢れさせ、「あの時の……!」「覚えていてくれたの……?」と泣きながら温かいお弁当を頬張りました。
「あの時もらった優しさがあったから、今の僕があります。今度は僕がふたりを応援する番です」
そして僕は、行くあてのない彼女たちに「よかったら、うちの店で一緒に働いてくれませんか?」と提案したのです。姉妹は目を輝かせて「本当にいいの……!?」と、何度も何度も頭を下げて喜んでくれました。
今、彼女たち姉妹は、僕のお店の大切なスタッフとして元気に働いてくれています。彼女たちの明るさと優しさは、今ではお店の看板となり、毎日たくさんのお客さんを笑顔にしています。
昔もらった優しさを僕なりの形で返せたことに、胸がすっと温かくなるのを感じた出来事でした。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。